オランド仏大統領はフランス全土における緊急事態を宣言している

現地時間の11月13日22時頃にパリ中心部で起きた同時多発テロを受け、外務省は旅行者および滞在者に注意喚起を促すとともに、パリおよびフランス全土での現状を発表。各旅行会社はツアーなどの中止や無料キャンセルで対応している。

現地の報道によると、パリ10区・11区(ビシャ通りのレストラン「rue Bichat(ル・プティ・カンボッジ)、フォンテーヌ・オ・ロワ通りのカフェ、ヴォルテール大通りの小劇場「Bataclan, Boulevard Voltaire(バタクラン)」、シャロンヌ通り、レピュブリック通り、ボーマルシャ通り)とパリ北部近郊の国立競技場において銃撃事件等が発生し、仏政府の発表によると少なくとも127人が死亡、多数が負傷したという。

各社、ツアー中止・無料キャンセル

こうした状況を受け、JTBはルックJTBを通じた16日実施のフランスを含むツアーを中止しており、現在フランスを訪れている旅行者に対しては全員の安否確認がとれているという。17日~20日実施のツアーに関しては、希望者に対し無料キャンセルを受け付けている。

H.I.S.は、17日実施分のフランスを含むツアーに関して無料キャンセルを受け付けている。現在フランスを訪れている旅行者に対しては全員安否の確認をとった後、現地では政府系施設の周辺を避けるなど安全に配慮した対応をしている。

日本旅行は18日出発分までフランスを含むツアーは全て中止しており、19日以降に関しては現在、現地の状況も踏まえて検討中となっている。なお、現在フランスを訪れている旅行者に対しては全員の安否確認がとれているという。

近畿日本ツーリストは16日実施分も含めてツアーの中止を検討中であり、20日出発分まではフランスを含むツアーに対して無料キャンセルを受け付けている。なお、現在フランスを訪れている旅行者に対しては全員の安否確認がとれているという。

パリ市内の観光施設等を閉鎖

同事件に対しイスラム過激派ISIL(イラク・レバントのイスラム国)は犯行声明を発出し、フランスに対するさらなる攻撃を警告している。オランド仏大統領はフランス全土における緊急事態を宣言し、フランス外務省は国境(陸路、空港、鉄道、海上)におけるコントロールの強化を発表している。

パリ警視庁の観光安全対策官は今般の連続テロ事件の発生を受け、11月14日より全ての観光名所を閉鎖し、住民・観光者に不要不急の外出を控えるよう呼びかけている。また同日、パリ市の施設(学校、美術館、図書館、体育館、プール、マルシェ)は全て閉鎖された。

こうした状況を受け外務省は現在、フランスへ渡航・滞在者はテロ事件や不測の事態に巻き込まれることのないよう、最新の関連情報の入手を呼びかけている。特にイル・ド・フランス州へ渡航・滞在者は不要不急の外出は避け、事件現場周辺には近づかずテロの標的となりやすい場所(政府・軍・警察関係施設、公共交通機関、観光施設、デパートや市場など不特定多数が集まる場所)は可能な限り避け、訪れる際には周囲の状況に注意を払い、不審な状況を察知したら速やかにその場を離れるなど安全確保を呼びかけている。

また、海外渡航前には万一に備え、家族や友人、職場等に日程や渡航先での連絡先を伝えて、3カ月以上の滞在者は緊急事態に備え在留届の提出をうながしている。