KANAC美容外科皮膚科クリニックはこのほど、育毛・発毛治療に高濃度プラセンタ(治験)を採用した新しい毛髪再生治療を開始した。
男性ホルモンの影響によりヘアサイクルが乱れて髪が軟毛化し、徐々に進行する脱毛症「AGA(男性型脱毛症)/FAGA(女性男性型脱毛症)」は、日本人男性の約30%(全年齢平均)が発症していると言われている。男性だけではなく、女性も社会進出やストレスにより症状に悩む人は増加傾向にある。
現在、それらの症状に対し、フィナステリドの内服(男性のみ)やミノキシジルの外用(男女とも)が有効とされている。日本皮膚科学会の男性型脱毛症診療ガイドライン(2010年度版)によると、これらの効果が十分でない症例に対しては、自毛植毛術の他に手段がない状況であるという。
今回、同クリニックが開始した新診療「高濃度プラセンタ毛髪再生治療」は、高濃度プラセンタとラジオセラピーを組み合わせ、従来の治療法に追加導入した治療法。薬の効果だけに頼らず、身体本来の再生能力を高めて発毛・育毛を促す治療法で、フィナステリドが内服できない女性に対しても、効果が期待できるとしている。
プラセンタは、胎盤を原料とする特定生物由来製品で、さまざまな薬効・薬理作用が認められており、育毛にも高い効果が期待されている。同治療で用いる高濃度プラセンタは、保険診療で使われている医療用プラセンタの300倍(投与量あたりの胎盤抽出物含有量)もの濃度を有するため、高い効果が期待できるとのこと。
治療はまず、頭皮にラジオ波+パルス磁場を当て、頭皮の毛細血管を再生。血流・リンパ液流を促進して細胞を活性化させるとともにbFGF(成長因子のひとつ)の生成も促していく。
続いて、オリジナル育毛カクテルに高濃度プラセンタを配合し、専用ローラーを用いて頭皮に塗布する、細かな針が付いたローラーを転がすことで頭皮に人工的な細かなキズが付き、薬剤を毛細血管から直接毛根に届けることができるという。
なお、使用するプラセンタは、肝炎やエイズなどの感染症がないことを確認した健康なヒトの胎盤のみを原料としている。処理過程においても徹底した汚染防止対策を行い、安全性の高い高濃度プラセンタを用いるとのこと。