昭和シェル石油と出光興産は12日、対等の精神に基づく両社の経営統合に関する基本合意書を締結したと発表した。2016年10月~2017年4月を目処に統合会社を設立し、統合5年目には年間500億円程度の統合効果を目指すという。

競争力を持つリーディングカンパニーを設立

両社は、基本合意書において、両社それぞれの強みを持ち寄り、経営資源を結集することにより、高い競争力を持つ業界のリーディングカンパニーを作ることで合意。統合会社は業界が抱える様々な構造的課題の解決に取組み、より効率的かつ安定的なエネルギーの供給を通じて国民生活の向上に資することを目指すとしている。

統合会社の基本戦略としては、内需の構造的な減少が避けられない中、両者が持つ資産の統廃合を積極的に進めるとともに、既存資産の有効活用につながる他社とのアライアンスを促進する。また、特約店・販売店を中心としたサプライチェーンを強化するほか、競争力のある製油所のポテンシャルの活用や、石油化学事業の拡大を目指すなどとしている。

なお、両社は全国に7製油所を保有しているが、昭和シェル石油広報によると「(両社の)製油所の配置は重なっているところがないため、統廃合は考えていない」という。

統合会社の商号は現時点では未定。ブランドについては、経営統合後一定期間は両社の既存ブランドを併用し、その後は新たなブランドを立ち上げることを「積極的に検討する」(昭和シェル石油)としている。