米Mozillaは11月11日(現地時間)、Webブラウザ「Firefox」のiOS版を公開した。AppleのApp Storeから無料で入手できる。対応環境はiOS 8.2以上。iPhoneやiPod touch、iPadに対応するユニバーサルアプリになっている。

Android版のモバイルFirefoxと同様に、iOS版もFirefoxアカウントを使って、同じアカウントでサインインするFirefoxと、ブックマーク、履歴、開いているタブ、Firefoxに記憶させたパスワードを同期できる。

ユーザーがWebブラウジングをコントロールできるように、iOS版にもプライベートブラウジングモードが実装されている。同モードではブックマークの登録は可能だが、履歴やCookieが保存されない。また設定にプライベートデータを消去する機能が用意されている。全てのデータの一括消去のほか、閲覧履歴、キャッシュ、Cookie、オフライン作業用のデータ、保存されたログイン情報などを選択して消去することが可能。

検索はデフォルトに設定した検索エンジンで実行されるが、設定で他の検索エンジンをクイック検索エンジンに登録しておくことで、簡単に検索エンジンを切り替えられるようになる。クイック検索エンジンは、検索キーワードを入力中のキーボードの上部にショートカットが表示される。検索機能はユーザーのニーズをインテリジェントに予測し、複数の推測候補や過去に行った検索結果を検索キーワード入力中の画面に表示する。

リンクや新しいタブは、簡単にプライベートブラウジングモードで開ける。

検索キーワード入力中のキーボードの上部に表示される検索エンジンのショートカットからエンジンの切り替えが可能。

開いているWebページを見失わないように、リンクから開いた新しいタブは背面で開き、開いているタブの数が右上に表示される。

Mozillaは、AppleがiPhone OS SDKを公開した時にiPhone用のFirefoxの開発を進めていたが、サードパーティのブラウザの仕様が厳しく制限されていたため開発途中で撤退していた。2010年にはFirefoxユーザーがMozillaのサーバに保存しているブックマークや履歴をiOSデバイスに同期するiOSアプリ「Firefox Home」の提供を開始したが、2012年に提供を終了。iOS 8のSDKからサードパーティのブラウザに関する制限が緩和され始めたため、iOS用Firefoxを開発するプロジェクトを再開させていた。