2017年卒の選考解禁2カ月前倒し、11月中に正式決定へ(画像はイメージ)

日本経済団体連合会はこのほど、11月9日の記者会見における榊原会長の発言要旨を公開した。同日の記者会見で榊原会長は、来年以降の選考活動のあり方について言及している。

広報活動の開始時期は3月1日を維持

2016年卒の大学生採用選考スケジュールは、会社説明会の解禁時期を3年生の3月、面接などの選考活動を4年生の8月に後ろ倒しして行った。学生が学業に専念するための変更であったが、広報活動期間が従来と比べて1カ月延長された上、経団連の非会員企業は例年通りの活動を行ったために、就職活動が長期化し、様々な問題が生じた。

経団連によると、経団連会員企業を対象としたアンケート調査では9割近くの企業が「自社の採用選考活動に悪影響があった」と回答、8割が開始時期の見直しを求めているという。

こうした状況を受け、2017年卒採用では選考活動スケジュール見直しを実施。広報活動の開始時期は3月1日を維持、企業による面接の開始を大学4年生の8月から2カ月前倒しし、6月解禁とする方針が発表された。

広報活動をあまり短縮するわけにはいかないという点と、暑い時期の活動という問題を避けるため、面接開始は6月が適切な時期であると判断したという。

「2カ月程度の前倒しを判断したのは、3月から広報活動を開始すると、広報活動には少なくとも3カ月は必要になる。一生のことであり、学生としてはできるだけ多くの会社を訪問し、色々な可能性を自分の目で確かめたいという気持ちがあると思う。広報活動をあまり短縮するわけにはいかない。しかし、あまりに遅くすると、今回のように長い、暑い時期の活動という問題が起きる。この兼ね合いの中で、2カ月程度がひとつの落としどころかと判断した。仮に5月まで前倒すとなると、3月の広報活動開始から2カ月しかなく、3月の広報活動開始の中で5月の選考開始は難しいと考えた」(榊原会長)

2年連続でスケジュールが変わることについて榊原会長は、「今年のスケジュールについてはあまりにも多くの問題が指摘されており、これを知りながらもう一年続ける方が問題である」と語っている。できる限り、何らかの改善をするべきであるとして、政府や大学関係者との協議を重ね、11月中に正式決定するとのこと。