島津製作所は11月11日、ボーイング737 MAXと777に搭載される構成品の納入を順次開始することを発表した。
ボーイング社に納入する構成品は、737 MAX向け「APU Air Inlet Door Actuator(エーピーユー エア インレット ドア アクチュエータ)」「Ground Spoiler Control Module」と777向け「APU Air Inlet Door Actuator」の3品目。なお、737 MAXは2016年に初飛行、初号機のデリバリーは2017年を予定しており、2015年9月15日の時点で世界58の航空会社から2,869機を受注している。
「APU Air Inlet Door Actuator」は電動モータ駆動のアクチュエータで、補助動力装置であるAPU(Auxiliary Power Unit、オグジュアリー パワー ユニット)のガスタービンエンジンの駆動に必要となる新鮮な空気を機体内部へと取り入れるため、ドアを開閉させる役割を担う。島津製作所はこれまで、747、747-8、757、767、787向けの「APU Air Inlet Door Actuator」の製造も担当している。
「Ground Spoiler Control Module(グランド スポイラー コントロール モジュール)」は、着陸時に接地した機体の速度を速やかに低減させて着陸距離を縮めるグランド・スポイラーシステムに組み込まれた油圧アクチュエータへの油圧供給を行うバルブ。島津製作所が「Ground Spoiler Control Module」を生産するのは今回が初めてで、グランド・スポイラーシステムに組み込まれる機器や部品をボーイング社向けに供給するのも初となる。
島津製作所は1955年に航空機器事業を再開して以来、米国の航空機関連企業との技術ライセンスを交えながら航空機搭載機器を開発・生産している。民間航空機向けの分野では737用品目の生産を1976年から開始し、その後もボーイング社の航空機向けにギアボックスや空気系統チェックバルブ、電気機械式アクチュエータを始め、ドア、脚、翼用関連機器などの品目を受注している。また2013年からは、737、747、767の飛行制御システムの構成品である水平尾翼昇降舵フィールアクチュエータ(Feel Actuator)の製造を担当している。