インテル セキュリティは13日、「2015年のセキュリティ事件に関する意識調査」の結果を発表した。セキュリティ分野における2015年のニュースの中で、最も認知度が高かったトピックとして、1位に日本年金機構の年金個人情報流出事件がランクインした。

2015年の10大セキュリティ事件、1位は日本年金機構への攻撃

この調査は、国内の経営層や情報システム部門などのビジネスパーソンを対象としたもので、1,552人に対して、2014年11月から2015年10月までに発生したセキュリティ事案に対する認知度を尋ねた。企業規模が均等になるようにしたほか、業種は日本全体の就業人口の割合に近くなるように設定されているという。

調査の概要と調査対象者の属性。調査にはマーケティング企業マクロミルのアンケートモニター「マクロミルモニタ」を採用した

2014年の1位はベネッセの顧客情報流出事件

2014年に引き続き2回目の調査で、前回は1位が「ベネッセ、顧客情報が大量流出」だった。同社の執行役員 SE本部本部長の田井祥雅氏は、「不正アクセスが多く、LINEの乗っ取り、JALマイレージWebサイトなどが目立った事件だった」と感想をコメントした。

前回(2014年)調査の結果

インテル セキュリティ(日本での事業会社はマカフィー) 執行役員 SE本部本部長の田井祥雅氏

2015年となる今年の結果の中で、10位から7位では、特に「無線LANのただ乗り」で全国初となる電波法違反容疑で逮捕された事案を紹介。また、6位から4位の中でも、公衆無線LANのセキュリティ問題が紹介された。

日本でも公衆無線LANスポットが増えており、無料で使える場所も多くなっているが、田井氏は「自分でセキュリティを保った機器で使わないと、乗っ取りやデータの閲覧などが起きてしまう」と警告する。さらに東京五輪が開催される2020年に向けて、公衆無線LANスポットはさらに増加するとみており、「こういう事件が起きやすくなってくる」と指摘する。

今年の結果、10位から7位まで。10位は中央官庁局長がカバン置き引き被害により職員情報が流出した件。9位はIP電話の乗っ取り。8位はソニー・コンピュータ エンタテインメントの「PlayStation Network」システム障害。7位は無線LANの「ただ乗り」摘発

6位から4位。6位はFlash Playerの脆弱性、5位は公衆無線LANのセキュリティ問題、4位は米Sony Pictures Entertainmentへのサイバー攻撃

順位 ■2015年の10大セキュリティ事件(10位から4位まで) 認知度
10 中央官庁の局長が、飲酒で寝過ごした電車内でカバン置き引きの被害に遭い、職員連絡網など流出(2015年6月) 24.9%
9 IP電話の乗っ取り被害(1年を通して) 28.2%
8 ソニー・コンピュータ エンタテインメントの「PlayStation Network」にシステム障害(2014年12月) 30.7%
7 全国初のケースとなる、無線LANの「ただ乗り」による電波法違反容疑で男を逮捕(2015年6月) 32.9%
6 Flash Playerの脆弱性(1年を通して) 35.3%
5 公衆無線LANのセキュリティ問題(1年を通して) 36.9%
4 東アジアの国家元首を題材にした映画公開に際し、米Sony Pictures Entertainmentにサイバー攻撃(2014年11月) 37.0%