白目部分が真っ赤に染まる結膜下出血は、痛みこそないものの見た目が衝撃的なため、人と会うのがやや億劫になる。乾燥するこれからの季節に増えてくるとされる結膜下出血を招かないようにするには、どのようにしたらよいのだろうか。
今回はあまきクリニック院長の味木幸医師に結膜下出血を招く生活習慣や予防法などについてうかがった。
寝不足やドライアイも遠因に
白目の表面を覆う「結膜」の下にある血管が破れるという結膜下出血になると、個人差はあるが、白目部分が真っ赤に染まることが多い。ただ、痛みはなく症状も自然消失するため、特別な治療を施す必要性はない。血管収縮剤が入っていない目薬を保湿用として点眼するなどで十分なケースがほとんどだという。
結膜下出血の直接の原因としては、高血圧や糖尿病などの疾患由来のものと、嘔吐(おうと)やせき、くしゃみなどによる疾患由来以外のものがあげられる。だが味木医師は、目を酷使する普段のライフスタイルも、間接的に結膜下出血につながっているのではないかと指摘する。
「結膜の老化、つまり加齢も結膜下出血につながります。そのため、寝不足やパソコン作業のしすぎなどによるドライアイなどの生活習慣も関わってくると言えます。結膜下出血を予防するためには目の保湿が重要のため、利尿作用があって脱水を促すお酒の飲みすぎもダメです。できる限り、目をいたわることが大切なのです」。
鍋を食べて「おいしく」対策
結膜下出血の対策としては「温かい蒸しタオル」がよいと味木医師は話す。白目部分の出血は2週間ほどで自然と体内に吸収されるが、蒸しタオルで目を温めると血の循環がよくなってその吸収が促進されるからだ。
「結膜下出血対策には保湿と蒸しタオルが大事だと覚えておきましょう」と味木医師。万一なってしまった場合は、湯船につかるなどして目に潤いを与えてから蒸しタオルを当てて、血の巡りをよくするようにするとよい。
そして、予防法には目によい食材を用いた「アイケア鍋」がお勧めだ。
「結膜の老化予防としてはビタミンAが有効なので、今の時期だとかぼちゃやにんじん、にらなどを摂取するといいですね。それと、良質なアミノ酸で体を酸化させないことも大切です。これらの野菜に加え、抗酸化成分である『アスタキサンチン』が豊富な鮭や、亜鉛が摂取できる牡蠣などを使った鍋を食べるのもいいですね」。
「目を紫外線にさらさない」「長時間のパソコンやスマートフォンの使用を控える」など、 普段から目をいたわる生活を送ることを心掛けたうえで、これらの予防と対策をして結膜下出血を防ぐようにしよう。
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記事監修: 味木幸(あまき さち)
あまきクリニック院長、慶緑会理事長。広島ノートルダム清心高校在学中に米国へ1年の留学。米国高校卒業後に母校に戻り、母校も卒業。現役で慶應義塾大学医学部入学。同大学卒業後、同大学眼科学教室医局入局。2年間の同大学病院研修の後、国家公務員共済組合連合会 立川病院、亀田総合病院、川崎市立川崎病院・眼科勤務。博士(医学)・眼科専門医取得。医師として痩身や美肌作り、メイクアップまでを医療としてアプローチする。著書も多数あり。