京都丹後鉄道(北近畿タンゴ鉄道が施設保有、WILLER TRAINSが運行)のリニューアル特急車両「丹後の海」が13日から営業運転を開始する。これに先立ち、12日に福知山駅にて同車両の内覧会が実施された。

京都丹後鉄道「丹後の海」の内覧会が福知山駅で行われた

「丹後の海」は1996年に導入された「タンゴディスカバリー」車両(KTR8000形)を改造。「あかまつ」「あおまつ」「くろまつ」も手がけた工業デザイナー、水戸岡鋭治氏(ドーンデザイン研究所代表)の設計・デザインにより、「海の京都」をイメージした車両に生まれ変わった。11月13日から1編成2両(KTR8011・KTR8012)が営業運転を開始し、今年度中にさらに1編成2両が導入される予定となっている。

内覧会には水戸岡鋭治氏とWILLER TRAINS代表取締役社長の村瀬茂高氏が参加。水戸岡氏は車両デザインに関して、「これまで手がけた車両のデザインをいかに蘇らせるか? というのが今回のテーマでした」「時間が限られ、席数を大きく減らせないなど制約もある中、新車のように見える車両にしたいとの思いで、なんとか作りました」と語った。

「丹後の海」の名称にも言及し、「単純な名前ですが、私としてはJR九州の『ゆふいんの森』と同じ感覚。『海の京都』のイメージをダイレクトに伝えられたら」と水戸岡氏。車体色に藍色メタリックを採用し、車体の各所に金色のシンボルマークを配置したことも特徴で、「ときどき『シンボルマークを入れすぎでは?』と言われるのですが、どの場所で写真撮影しても良い写真になるように、あと楽しい雰囲気も出せるようにと思って、シンボルマークをたくさん入れています」と説明していた。

「丹後の海」内覧会に参加した村瀬茂高氏(写真左)、水戸岡鋭治氏(同右)

福知山駅に「丹後あおまつ4号」が到着。"水戸岡デザイン"の車両同士が対面

1号車(指定席)の車内

2号車(自由席)の車内

2号車にフリースペースも設置

"水戸岡デザイン"の特徴のひとつに挙げられる木目調のインテリアも採用。客室天井と壁に白樺、床にナラ、座席に楓を使用し、くつろぎの車内空間を演出している。モケットの色柄も、水戸岡氏が過去に手がけた車両のデザインが踏襲された。1号車が指定席、2号車が自由席で、2号車の運転席側にはフリースペースを設置。運行を担当するWILLER TRAINSによれば、1編成あたりの総工費は約8,000万円とのことだった。

「丹後の海」は11月13日から営業運転を開始し、同日に宮津駅で出発式も行われる。11月13~16日は1日あたり上下計8本の列車に使用され、京都丹後鉄道線内の特急「たんごリレー」(一部列車を除く)をはじめ、快速・普通列車の運用にも就く予定。11月17~20日は検査運休となる。JR線への直通運転については現在、JR西日本と相互調整を行っており、11月21日以降の運行スケジュールは京都丹後鉄道ホームページにて随時公表される。