オリックス銀行は11日、国内初という通販型の遺言代用信託商品「かんたん相続信託」の取り扱いを開始した。遺言代用信託商品とは、遺言の作成助言から保管・執行までを行う「遺言信託」とは異なり、相続が発生した場合に被相続人が指定した受取人(相続人)に対して金銭のみを受け渡すことを目的とした信託商品。
申込手数料・管理報酬が無料でオリックス銀行が元本全額保証
「かんたん相続信託」は、遺言書を作成することなく、契約や相続金の受け取りなどを郵送および電話による手続きで完結できる商品だという。店舗に出向く必要がないため、顧客(被相続人)にとっては、住んでいる場所などに関わらず、都合に合わせて各種手続きを行うことができるとしている。
このたびの商品では、1契約あたり100万円から最高3,000万円まで預けることが可能で、オリックス銀行が元本全額を保証する。1契約で一人の相続人を指定することになるが、複数の契約も可能だという。また、申込手数料や管理報酬は一切発生せず、中途解約も可能と利便性の高い商品としている。なお、同商品は預金保険の対象商品となる。
相続発生時に被相続人名義の預金口座から出金を行う場合は、相続人による煩雑な手続きを行う必要がある。しかし、同商品では、契約に従い支払請求書の郵送などによる簡便な手続きのみで相続金を支払うという。
オリックス銀行によると「電話や郵送で資料請求ができるので、ネットを利用されないご高齢の方でも気軽にお問合せしてほしい。対象となる金融商品は金銭信託で、12日現在の予定配当率は0.15%」としている。
オリックス銀行は、無店舗型の銀行としての特徴を生かし、顧客の幅広いニーズに応えてきたという。今後もこれまでに培ったノウハウと"しなやかな発想"で、ほかにはない金融商品・サービスの提供に努めていくとしている。