三菱UFJリサーチ&コンサルティングは10日、「2015年冬のボーナス見通し」を発表した。同研究所は今年の冬ボーナスについて、「民間でマイナス2.1%」の大幅減になると予想している。

前年を上回る余地は十分にあり

民間企業の2015年夏ボーナスの1人あたり平均支給額は、厚生労働省「毎月勤労統計」ベースで35万6,791円(前年比マイナス2.8%)と大きく減少した。同社調査部は要因として、「ボーナスを新たに支給する事業所が増えたことで支給額の低い労働者が増え、全体が押し下げられたこと」「ボーナスを支給した事業所において、支給対象外の非正規雇用労働者が増えたため、計算上一人あたりの平均支給額が押し下げられたこと」を上げる。

2015年冬ボーナスの1人あたり平均支給額の予測は、前年比マイナス2.1%の36万7,458円。「大企業を中心に春闘で夏冬ボーナスを同時に決定する企業が多いこと」「調査対象も30人以上の事業所については夏と変わらないこと」などの理由から、夏に続いての前年比減となった。業種別にみると、「製造業」では49万1,011円(前年比マイナス2.6%)、「非製造業」では34万965円(同マイナス1.9%)とともに減少の見通し。

一方、ボーナスが支給される労働者数は、前年比プラス1.7%と増加の見込み。ただし、パートタイムなど非正規雇用の労働者数も増えているため、支給される労働者の割合は前年から横ばいに推移するという。

「冬のボーナス予想(民間) 平均支給額(前年比)と支給月数」

民間では前年と比べてマイナスと予測されるが、企業業績の回復や基本給の増加などで冬ボーナスを取り巻く環境自体は昨年冬並みに良好。そのため、同研究所では「支給額が前年を上回る余地は十分にある」としている。

公務員は夏に引き続き増加の見通し

同研究所によると、2015年冬のボーナスは夏に引き続き増加の見通しで、予想される平均支給額は前年比プラス3.4%の71万5,400円(12月時点では68万3,400円)。「平均年齢の上昇」「月例給の引き上げを背景として基本給の増加」「ボーナス支給月数の増加」などを引き上げ要因としている。

「冬のボーナス予想(国家公務員) 平均支給額(前年比)と支給月数」