小田急電鉄はこのほど、1000形通勤車両リニューアル車が「第12回エコプロダクツ大賞」の優秀賞を受賞したと発表した。表彰式は12月10日、東京ビッグサイトでの「エコプロダクツ2015展示会」会場内にて実施される。
1000形リニューアル車は2014年度から投入された。大容量フルSiC(炭化ケイ素)を適用した直流1,500V架線対応のVVVFインバーター(直流を交流に変換し、モーターを効率よく制御する装置)を世界で初めて採用しており、従来より電力損失が少なく、電車を動かす電力消費を低くすることに成功した。
高温でも動作できる特徴によって冷却器も小さくなり、従来装置と比較して体積・重量ともに約80%以上低減。ブレーキ時の回生電力量も大幅に向上し、運行している別電車のエネルギーとして、より多くの電力を再利用できるようになった。省エネ効果の検証では、VVVFインバータ制御装置、モーター、ブレーキ装置などの主回路システムにおいて、従来車両と比べて約40%の省エネ効果を実現したという。
エコプロダクツ大賞推進協議会はこれらを踏まえ、「フルSiC適用VVVFインバータ装置搭載1000形リニューアル車の投入」を「第12回エコプロダクツ大賞」優秀賞に認定。フルSiC適用VVVFインバーター装置を開発した三菱電機と小田急電鉄が共同受賞者となる。