幕張メッセで13日まで開催される「第4回鉄道技術展」に、川崎重工業は前回に続き、世界で初めて台車フレームの主構造にCFRP(炭素繊維強化プラスチック)を採用した次世代の鉄道車両台車「efWING」を出展している。
従来、台車フレームの主構造は鋼製だったが、「efWING」では軽さと高い強度をあわせ持つCFRPを採用。CFRP製台車フレームにサスペンション機能も持たせ、コイルバネを不要とした。台車の軽量化と構造の簡素化を図ったことで、走行燃費などのランニングコスト低減とCO2排出量の削減にも貢献するという。
「efWING」のデザインは感性工学にもとづき、性能・外観・コストをトータルにコーディネートしたもので、「新素材技術と構造開発によって、高性能で機能的な美しさをもった台車が生まれたこと」が高く評価され、2013年度グッドデザイン金賞を受賞した。2014年以降、熊本電気鉄道6000形「くまモン電車」などに「efWING」が採用されている。
今回の鉄道技術展では、デザインコンセプトを具現化したという装飾を台車側面に施した「efWING」と、弓状のCFRP製バネが展示された。前回に続いての出展だったが、モーターショーのコンセプトカーを思わせる「efWING」のデザインは際立っており、多くの来場者が足を止め、洗練された機能美を興味深く眺めている様子だった。