説明書を読まなくても使い方がわかるのが、iPhoneの魅力であり強みです。しかし、知っているつもりでも正しく理解していないことがあるはず。このコーナーでは、そんな「いまさら聞けないiPhoneのなぜ」をわかりやすく解説します。今回は、『接続中のWi-Fiの規格を調べる方法は?』という質問に答えます。

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iPhoneと接続中のWi-Fiアクセスポイントがどの規格で通信しているのか、iOSに標準装備の機能で調べられるかという質問であれば、答えは「ノー」です。パソコン用のOSにはそのような機能を搭載するものもありますが、現在のiOSには通信規格を分析する機能がありません。

ただし、Wi-Fiアクセスポイントに「AirMac Extreme」などApple製品を利用している場合は、その限りではありません。Appleが配布しているアプリ「AirMacユーティリティ」を使い、AirMac Extremeの詳細画面でiPhoneの接続状況を調べれば、PHYモード欄に「802.11a/n」などのWi-Fi接続規格が表示されます。

その他のWi-Fiアクセスポイントでは、「Wi-Fi SweetSpots」などのサードパーティー製アプリを使い通信速度を調べると、ある程度絞り込むことはできます。この調べ方は、IEEE802.11acおよびMIMO(複数のアンテナを束ねて通信する技術)に対応したWi-Fiアクセスポイントの利用が前提です。

たとえば、MIMOに対応するiPhone 6sは「IEEE 802.11ac」で通信すると最大866Mbps(理論値)という速度でWi-Fi通信できますが、1世代前の「IEEE 802.11n」は最大144Mbpsです。Wi-Fiアクセスポイントのすぐそばで通信テストを行い、コンスタントに144Mbpsを超えればIEEE 802.11acで通信していると判断していいでしょう。

なお、iPhone 5s以前のモデルはIEEE 802.11acに対応せず、それ以外の規格(IEEE 802.11g/b/a)は通信速度だけで見分けることが難しいため、この方法が使えません。MIMOをサポートしないiPhone 6の場合、IEEE 802.11nが最大433Mbps、IEEE 802.11nが最大72Mbpsとなる点にも注意が必要です。

Wi-Fiをリアルタイムに測定するアプリを使えば、どの規格で通信しているかある程度絞り込めます