説明書を読まなくても使い方がわかるのが、iPhoneの魅力であり強みです。しかし、知っているつもりでも正しく理解していないことがあるはず。このコーナーでは、そんな「いまさら聞けないiPhoneのなぜ」をわかりやすく解説します。今回は、『iPhoneを触らずに長時間放置するとどうなるの?』という質問に答えます。

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iPhoneは何もしていない状態でも電力を消費します。ディスプレイを表示している状態、通信している状態に比べればペースは穏やかなものの、スリープしている間にもバッテリーは減り続けています。つまり、いつかはバッテリーが切れとなり、電話の発着信を含めすべての機能が利用できなくなります。

さらに放置を続けるとバッテリーは過放電状態となり、電池セルの劣化が進むことがあります。保護回路の働きがありますから、過度な心配は不要ですが、バッテリー残量がなくなりiOSが強制終了される前に充電を開始すべきです。バッテリー残量が20%を下回るときと、10%を下回るときに警告ダイアログが現れるので、そのタイミングで充電すればいいでしょう。

iPhoneに触らない状態が長時間続くと、iOSはセキュリティ面での警戒を始めます。iPhone 5s以降に搭載されている指紋認証機構「Touch ID」は、48時間以上ロック解除されない状態が続くと一時的に無効化され、ロック解除してiPhoneを操作可能な状態にするにはパスコードの入力が必須となります。以前のiPhoneは48時間も放置しておけばバッテリーがなくなりiOSが強制終了されていましたから、そういった機能があることは一部のユーザが知る程度でしたが、iOS 9にはバッテリーの持ちを大幅に改善する新機能「低電力モード」があるため、目にすることがあるかもしれません。

なお、iOS 9の一部のバージョンでは、最後のロック解除から48時間経過していないにもかかわらず、なにかのタイミングでその「48時間ルール」が適用されることがあります。これはiOSの不具合と考えられるため、無視してかまいません。

Touch ID搭載のiPhoneでは、ロック状態が48時間以上続くとパスコードの入力が必須となります