連合総研はこのほど、第30回「勤労者短観 勤労者の仕事とくらしについてのアンケート調査」の結果を発表した。調査期間は10月。

物価上昇認識も依然高水準

「1年前と比べた景気認識D.I.」はマイナス12.5となり、「景気が悪化した」という認識がやや強まった。「1年後の景気見通しD.I.」はマイナス17.6となり、「1年後の景気は悪化する」という認識が強まっている。

勤め先の業種別にみると、「製造業」「運輸・情報通信業」「金融・保険・不動産業」などでは悪化したが、「建設業」「卸売り・小売り」「飲食店」「宿泊業」では改善した。

「1年前と比べた景気認識D.I.」

「1年前と比べた物価認識D.I.」はプラス45.8と、「物価が上がった」いう認識は依然高水準ではあるものの、消費税増税等の影響があったとみられる前々回(2014年10月)や前回(2015年4月)の調査から若干下落した。

「1年後の物価見通しD.I.」もプラス44.7となっており、「物価は上昇する」という認識があるものの、前回調査に比べると下落した。

男女別にみると、「物価が上がった」とする割合は女性が77.9%で男性の67.9%を上回った。1年後の物価見通しについても、「物価が上がる」と予測する割合は女性が76.3%で男性の66.4%を超えた。

「1年前と比べた物価認識D.I.」(男女別)

「1年前と比べた自身の賃金収入の増減」について、「増えた」とする人の割合は27.3%で、「減った」とする人の割合(23.2%)を上回った。一方で「1年後の賃金収入増減の見通し」については、「増える」とする人の割合は18.2%と2割に満たず、今後も賃金改善の見通しは厳しいとの認識が高い。「賃金収入見通しD.I.」をみると、男女非正社員(男性:マイナス 5.7、女性:マイナス 5.0)、「労働組合のない企業」(マイナス 7.3)で賃金が減少するとの見方が強くなっている。