大阪商工会議所はこのほど、同所会員のうち2,370社を対象に実施した「企業の人手不足・新卒採用に関する調査」の結果について発表した。調査は10月6日~26日にかけて実施し、251社から有効回答を得た。

正社員は、51.4%が「不足している」

人材確保状況(正社員、非正規社員)について尋ねたところ、正社員については、51.4%が「かなり不足」「やや不足」と回答した。規模別では、500人以上の企業における不足感が強い。業種別で見ると、建設業とサービス業で不足感が強かった。

人材確保状況(正社員)

人手不足の影響について尋ねると、55.7%が「社員の業務量が増加した」と回答した。「需要増への対応が困難」とする企業も44.3%。業種別では、製造業、建設業の半数以上が「需要増への対応が困難」な状況であることが明らかになった。

16年大学卒・大学院卒の採用活動、50.2%が採用活動を「実施」

人手不足への対応策について聞くと、71.1%が中途採用を、57.0%が新卒者採用を強化して対応すると回答した。2016年3月卒業予定者(大学卒・大学院卒)の採用活動について尋ねると、50.2%が採用活動を「実施した」「実施中」と答えている。

採用予定人数の確保状況について聞くと、65.1%が「確保できた(できる予定)」と回答したが、34.9%は「できていない」と回答。建設業では83.3%は確保できなかった(できない予定)と回答している。

採用予定人数の確保状況

前年度と比較した大学・大学院卒業予定者確保の厳しさについて聞くと、65.1%が前年度と比較して新規学卒者の確保が厳しくなったと答えた。採用活動を「実施した」「実施中」企業のうち、採用スケジュール繰り下げによる影響の有無について尋ねると、80.9%が「大きな影響があった」「やや影響があった」と答えた。

採用スケジュール繰り下げによる影響の有無

どのような影響があったか具体的に尋ねると、「内定辞退者が増加した」(52.9%)、「応募者が減少した」(51.0%)が多かった。規模別では、「前年度より応募者が減少した」と回答した割合が高いのは、従業員数50~100人未満の企業(61.5%)で、業種別では建設業が多業種と比べ高くなっている。

採用スケジュールについて聞くと、57.9%は「もとのスケジュールに戻してほしい」と回答した。特に、従業員数500人以上の企業の85.7%は「もとのスケジュールに戻す」ことを希望している。

採用スケジュールについて