パナソニックは11月3日、単1形乾電池「エボルタ」を動力とした鉄道車両で世界最長距離となる22.615kmを走破し、ギネス世界記録を達成した。車両は埼玉県立川越工業高等学校の生徒が製作したもの。
9月に発表された挑戦が実を結んだかたちとなる。達成したギネス世界記録は「Longest distance traveled by a vehicle on a railway track powered by dry cell batteries(乾電池で走る車両が線路上を走行した最長距離)」。チャレンジ当日の11月3日、車両は秋田県の由利高原鉄道 鳥海山ろく線の「前郷駅」を12時32分にスタートし、13時57分には折り返し地点の「矢島駅」に到着、速度を維持しながら15時19分に前郷駅へ到着した。総走行距離は22.615kmだ。
今回のチャレンジに使用した車両は、埼玉県立川越工業高等学校の電気科「電車班」に所属する13名の生徒が設計・製作したもの。動力源にはパナソニックの単1形乾電池「エボルタ」600本を使用しており、外寸はW1,500×D4,100×H2,900mm、車体重量は約1.1t。平均時速は約8.8km、最高時速は約14.4kmだ。車両の外観は「進み続けるチカラ」をコンセプトに、同校デザイン科の生徒がデザインしたという。
ギネス世界記録を達成するための主なルールは、「市販の乾電池のみで車両を動かすこと」「車両だけで700kg以上を要すること」「挑戦中、車両を修理してはならない」「上り坂方面でスタートすること」「距離20km以上のレールを走りきること」といったもの。ゴールとなった前郷駅で行われた到着セレモニーには、ギネス世界記録公式認定員のグリナズ・ウカソヴァ氏も参加し、川越工業高等学校の電車班メンバーへ公式参加認定証を授与した。