パナソニックの乾電池「エボルタ」のハイパワーと長持ち性能を実証する実験「エボルタチャレンジ 2015」が3日、秋田県の由利高原鉄道鳥海山ろく線にて実施された。
「エボルタチャレンジ」は乾電池「エボルタ」が発売された2008年以降、毎年実施されている。昨年は旧小坂鉄道廃線(秋田県)にて、オリジナル車両による有人走行に挑戦し、成功を収めた。今年は「世界最長距離 鉄道走行チャレンジ」として、「エボルタ」を動力源とする鉄道車両によるギネス世界記録(乾電池で走る車両が線路上を走行した最長距離)への挑戦が行われることになった。
今回使用された車両は、埼玉県立川越工業高等学校電気科「電車班」の生徒13名が約半年間かけて設計・製作を行い、車両外観は「進み続けるチカラ」をテーマに、同校デザイン科の生徒たちが記録達成を願ってデザインした。外寸は長さ4,100mm・幅1,500mm・高さ2,900mmで、車体重量は約1.1トン。単1形「エボルタ」600本を動力源に、平均時速8.8km、最高時速14.4kmで走行可能とされた。
同車両は11月3日12時32分、スタート地点の前郷駅を発車。今回のチャレンジでは、由利高原鉄道鳥海山ろく線前郷~矢島間を往復し、路線の一般営業開始(同日15時50分頃)より前にゴールする必要があった。「電車班」の生徒4名が交代で運転を行い、往路は約1時間半かけて走行。13時57分頃、折返し地点の矢島駅に到着した。復路も速度を維持しながら順調に走行を続け、14時59分頃、ギネス世界記録の最低距離となる20km地点を通過した。前郷駅には15時19分に到着。地元住民らの声援を受けてのゴールとなった。
総走行距離は22.615kmで、見事ギネス世界記録を達成。公式参加認定証が授与された。生徒からは、「大変なこともたくさんあったけど、このメンバーで記録を達成できてうれしい」とコメントが。「電車班」を指導する君島栄先生は、「前郷まで無事に戻ってきてくれるのか、車両の姿が見えるまで不安でいっぱいでした。大変でしたが、本当にこのチャレンジをやって良かった。生徒たちもよく頑張りました」と話していた。