就活用語の新語として「キチョハナカンシャ」という言葉が注目されています。この言葉は一体何を意味するものなのでしょうか? また、なぜこの言葉に注目が集まっているのか? 謎の多い言葉「キチョハナカンシャ」についてご紹介します。

■キチョハナカンシャは「貴重なお話をありがとうございました」の意味

キチョハナカンシャは「本日は貴重なお話をありがとうございました」というあいさつを意味する言葉で、特に会社説明会・企業セミナーで学生が質問をする際の前置き・あいさつを指して使われていることが多いようです。

ただしこの言葉は就活時によく使われる決まり文句のようなもので、さらには既に社会人として働いている人も当たり前のように使う言葉です。そのため、取り立てて注目されるような要素はないように見えるのですが、今なぜかこの言葉が注目されています。その理由は一体なぜなのでしょうか?

■キチョハナカンシャしていないことに理由が?

この言葉が注目されている理由に、会社説明会・企業セミナーで学生が「本日は貴重なお話をありがとうございました」という前置きをしたにも関わらず、企業に全く関係ない質問を行う人や企業に興味を持っていないのに質問をしている人の存在があります。

言葉だけで感謝を示しておきながら、企業に対して質問を行う場所で長々と自己PRを始めたり、企業の商品名やサービス名を言い間違えたり、氏名と大学名は名乗らなくていいと言われているのに守らなかったり等、相手を考えない自己本位な質問をする人をキチョハナカンシャという言葉でからかっている、という意味がこの言葉の背景にあるようです。

■礼儀やマナーに大切な心

会社説明会・企業セミナーで貴重な機会を提供してくれた主催者に「本日は貴重なお話をありがとうございました」とお礼を述べることは、何ら問題はありません。ただしこの言葉に全く心がこもっていない場合は、そんなお礼も単なる言葉だけのことにしかすぎなくなり、意味のない言葉になってしまいます。

また採用担当者は慌ただしいスケジュールをやりくりしながら採用活動を行っているため、キチョハナカンシャのような形骸化した言葉に時間を使わないでほしい、それを省略してくれた方が時間が省けると考える人も恐らくいるはずです。

会社説明会・企業セミナーで「本日は貴重なお話をありがとうございました」とお礼を述べるときはその言葉が必要なのか、さらに質問を行うときは本当にそれが相手に「貴重な時間」を割かせてまで聞きたいことなのか、考えることも大事かもしれません。

採用担当者に「それを言うなら貴重な時間をありがとう、だろう」なんて思われないよう、大事な場面ほどお礼には気持ちを込めるようにしてみましょう。

(画像は本文と関係ありません)