成田国際は11月1日、4月8日に開業した空港第3旅客ターミナルが日本デザイン振興会主催の2015年度グッドデザイン賞において、金賞に選ばれたことを発表した。空港の金賞受賞は今回が初となる。
成田国際空港第3旅客ターミナルは日本初のLCC専用ターミナルとして誕生し、日建設計・良品計画・PARTYが合同で行ったプロジェクト。2015年の審査対象数は3,658件にのぼり、そのうち1,337件がグッドデザイン賞を受賞。さらにその中からごく一部のプロジェクトにのみ、金賞が送られる。
審査員からは、「LCCのための空港をローコストでつくるために、空間や素材、サインや家具など、様々な観点から徹底的に追求して生まれた、全く新しい空間の質を持った空港である。その結果、分かりやすさ、歩きやすさ、使いやすさ、静かさ、楽しさなど、従来の空港の概念を覆すほどに新しい数々の価値が、誰にでも分かりやすいかたちで提示されている」と評価された。
同ターミナルは、第1・第2ターミナルの半分の予算で建設されている。予算の都合上、空港で見受ける動く歩道や電照式のサイン看板、革張りチェアが設置できない上、入り口がある第2ターミナルから長い距離を歩かなければならないなどの課題があったという。
それらの対策として、例えば床面に誘導サインを組み込んだ陸上トラックを導入することで、見た目の分かりやすさとともに足の負担の軽減効果を狙っている。また、待ち時間も長く深夜便も多いLCC利用客のために、できる多くの人が長時間快適に座れる機能と、時には仮眠をとることもできる機能を兼ね備えたオリジナルソファを無印良品がデザインしている。