ヤマダ電機は10月30日、東京駅八重洲口に新業態店「Concept LABI TOKYO」をオープンした。品揃えからフロア構成、売り場作りまで、従来のLABI店舗とはコンセプトがまったく異なる同店をレポートする。
「Concept LABI TOKYO」は、東京駅八重洲北口を出て目の前にある。オープン前日に行われたメディア内覧会の席上、同社の山田昇社長は新店舗について「最先端コンセプトの情報を発信するフラグシップとして位置付けており、ヤマダ電機の情報発信に大きな変化をもたらす店だ」と説明した。
店名にもなっている"Concept"の意味に関しては、「基本思想という意味合いはもちろん、既成概念に囚われず商品やサービスを新しい視点から主張するという意味を込めている。ヤマダ電機だけでなく家電業界の既成概念を覆す、その始まりとなる店舗にしたい。長期的にはグローバルな展開も視野に入れており、その旗艦店的な意味も大きい」と語る。
高級路線を狙った落ち着いた店内
山田社長の言葉どおり、新店舗は従来のLABIとは大きく異なる店作りになっている。木目調や大理石調の床材、木目調の商品陳列棚、間接照明を多用するなど、全体的に落ち着いたトーンでフロアをまとめ、品揃えも海外高級家電など従来のLABIにはなかった商品が数多く集められている。
大きな特徴は、メーカー別の提案ブース。3階のワンフロアをパナソニックとソニーの2社で区切り、それぞれの最新AV技術を体験できるトータルプレゼンテーションステージを作った。エアコン売り場でも、従来の畳数別展示ではなくメーカー別展示にしている。
「メーカーさん同士で競い合い、最新情報の発信基地として積極的に利用してほしいと思っている」と山田社長はその狙いを語った。このほかにも、ロボットによるフロア案内、携帯電話やデジタルカメラの対面販売、ハードディスクの粉砕サービスなど、新しい取り組みが随所に見られる。
さらに、中央区・千代田区・港区の個人と法人を対象に「スーパーエクスプレスサービス」も新たに導入した。午後3時までに注文すると、小型・大型家電から消耗品、生活用品まで、約400万アイテムを最短3時間で届けるものだ。
これらにより、同店では初年度売上で150億円以上を見込む。今後は同様のコンセプト店舗を、大阪や名古屋など他の都市にも拡大する方針だ。
次頁からフロアごとに新店舗を詳しく紹介していこう。