総務省が30日に発表した2015年9月の労働力調査(速報)によると、完全失業率(季節調整値)は前月から横ばいの3.4%となった。一方、厚生労働省が同日発表した9月の有効求人倍率(季節調整値)は前月比0.01ポイント上昇の1.24倍と、1992年1月以来、23年8カ月ぶりの高水準を記録した。

製造業の就業者、2年9カ月ぶりに1,000万人を割り込む

完全失業率を男女別にみると、男性は前月比0.1ポイント上昇の3.6%、女性は同0.1ポイント低下の3.1%となった。年齢階級別にみた場合、男性は「15~24歳」「25~34歳」「35~44歳」で悪化し、女性は「25~34歳」「35~44歳」「55~64歳」で改善した。

完全失業者数(原数値)は前年同月比6万人(2.6%)減の227万人と、64カ月連続の減少。就業者数(原数値)は同37万人(0.6%)増の6,439万人と、10カ月連続で増加した。製造業の就業者数は同42万人減の992万人と、2012年12月以来、2年9カ月ぶりに1,000万人を割り込み、1961年6月の984万人以来、54年3カ月ぶりの低水準となった。総務省統計局は「労働者が医療・福祉などの産業にシフトしていることや、企業の海外拠点への移転が影響した」と分析している。

完全失業者の対前年同月増減と完全失業率(季節調整値)の推移(出典:総務省統計局Webサイト)

就業率(15歳以上人口に占める就業者の割合、原数値)は同0.3ポイント上昇の58.1%で、このうち15~64歳の就業率は同0.7ポイント上昇の73.9%となった。

雇用者数(原数値)は同51万人(0.9%)増の5,687万人と、33カ月連続の増加。雇用形態別にみると、正規の職員・従業員数は同21万人(0.6%)増の3,348万人、非正規の職員・従業員数は同16万人増の1,986万人となった。

有効求人倍率は1.24倍に改善

一方、厚生労働省が同日発表した2015年9月の一般職業紹介状況によると、有効求人倍率(季節調整値)は前月比0.01ポイント上昇の1.24倍となり、1992年1月(1.25倍)以来、23年8カ月ぶりの高水準を記録した。改善は3カ月連続。

求人、求職および求人倍率の推移(出典:厚生労働省Webサイト)

都道府県別の有効求人倍率をみると、最も高かったのは東京都の1.83倍、最も低かったのは鹿児島県の0.86倍となった。

新規求人倍率(季節調整値)は同0.01ポイント上昇の1.86倍。正社員有効求人倍率(同)は同0.01ポイント上昇の0.77倍となった。

有効求人数(同)は同0.7%減、有効求職者(同)は同1.4%減。新規求人数(原数値)は前年同月比0.9%増となり、産業別にみると、教育、学習支援業(同9.8%増)、医療、福祉(同4.5%増)などで増加した一方、学術研究、専門・技術サービス業(同4.0%減)、建設業(同3.4%減)などで減少した。