6割超の企業が新卒初任給を引き上げ

経団連と東京経営者協会が10月に発表した「新規学卒者決定初任給調査」によると、この調査に回答した488社(有効回答率 : 25.6%)のうち、約6割の企業が2015年の新卒初任給を引き上げた。リーマン・ショック後、2010年から2013年の間は引き上げたと回答した企業の割合はいずれも一桁台であったが、円安やアベノミクス効果もあって2014年に42.5%に急回復。2015年はそれを凌ぐ57.9%となった。

では、すでに企業に勤めている社会人は、どれぐらいの年収を得ているのだろうか。マイナビニュースでは、上場企業が公開する有価証券報告書をもとに年収の上位企業100社、および東西日本に本拠を置く企業、それぞれ30社をランキングとしてまとめた。

対象とする企業は国内上場企業約3,600社で、2014年7月期から2015年6月期までの有価証券報告書をもとに算出している。掲載した年収は賞与や基準外賃金を含んだ金額で、単独ベースの数字だ。先に述べると、純粋持株会社のうち社員がいない企業を除外すると、上場企業約3,600社の平均年収は593万円、中央値は575万円であった。

また、「◯◯ホールディングス」といった社名に代表される持株会社は、おもにグループ内企業の管理を行っている。そのため、グループ内の主たる事業会社と比較すると、社員の平均年齢や平均年収が高く表れる傾向がある。特に、社員数が数人といった持株会社はその傾向が顕著となるため、その点は割り引いてみてほしい。

上位100社の平均年収は1,125万円

上位100位までのランキングは次のとおり。1位はM&A仲介事業を手掛けるM&Aキャピタルパートナーズで、平均年収は1,947万円。東京駅北口 グラントウキョウノースタワーに居を構え、2005年設立、2013年に上場したまだ若い企業で、社員の平均年齢も29.9歳となっている。

2位には、大阪に本社を置き、キー・オブ・サイエンス(科学の鍵)を掲げるキーエンスで1,688万円。各種センサなど電子部品や産業用電子機器の大手で、本誌読者としては、ジャストシステムを関連会社として抱える企業としたほうが馴染みがあるかもしれない。

3位は、証券大手の野村ホールディングスで1,579万円。以下、朝日放送(4位、1,519万円)、東京放送ホールディングス(5位、1,510万円)、日本テレビホールディングス(7位、1,470万円)、フジ・メディア・ホールディングス(8位、1,447万円)などマスメディアや、伊藤忠商事(10位、1,395万円)、三菱商事(12位、1,376万円)、三井物産(14位、1,361万円)といった商社が続く。また、GCAサヴィアン(6位、1,487万円)、日本M&Aセンター(11位、1,386万円)は、1位のM&Aキャピタルパートナーズと同様に、M&A案件に関わる企業だ。

1位~25位まで(画像クリックで拡大)。本社所在地は、有価証券報告書に記載された本店情報をもとに、一部の会社については実体に合わせて記載した。また、平均年収は四捨五入して万円単位で記載。同額の場合には四捨五入前の金額で順位付けを行っている。

25位~50位まで(画像クリックで拡大)

51位~75位まで(画像クリックで拡大)

76位~100位まで(画像クリックで拡大)。

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