道南いさりび鉄道は26日、国土交通省北海道運輸局へ鉄道事業の旅客運賃上限設定認可申請を行った。道南いさりび鉄道線の申請運賃(上限運賃)と実際に設定予定の運賃(実施運賃)、JR北海道との乗継割引の設定についても発表された。
同社は2016年3月26日の北海道新幹線新青森~新函館北斗間開業にともない、JR北海道から経営分離される並行在来線(江差線五稜郭~木古内間37.8km)を引き継ぎ、営業開始する予定。旅客列車はJR北海道から譲り受けた中古ディーゼル車両(キハ40形9両)によるワンマン運転を行う計画で、新幹線・在来線特急列車との乗継ぎ利便性を確保し、朝夕の通勤・通学などにも配慮したダイヤ編成に努めるとしている。
今回の申請に関して、「上限運賃として申請した運賃と実施運賃は同額とします」と同社。営業キロ1~2km(初乗り運賃)の大人普通旅客運賃は190円、営業キロ33~38kmは960円と設定された。五稜郭~木古内間の現行運賃は740円で、道南いさりび鉄道線開業後は960円となり、約1.3倍に。他の区間も現行運賃のおおむね1.3倍程度(1.05~1.31倍)で運賃が設定されているという。
同社線内各駅から函館駅まで乗車する場合、道南いさりび鉄道・JR北海道の双方の運賃がかかり、現行運賃よりさらに割高となることから、利用者の負担軽減を目的に乗継割引運賃が設定される予定。おもな駅から函館駅までの普通旅客運賃は、木古内駅から1,110円(現行運賃840円、上昇率132.1%)、上磯駅から380円(現行運賃260円、上昇率146.2%)、久根別駅から340円(現行運賃230円、上昇率147.8%)とされている。
あわせて通勤定期旅客運賃(大人1カ月)・通学定期旅客運賃(高校生1カ月)も発表。函館駅まで利用する場合は乗継割引が適用され、上磯駅から通勤定期1万1,450円(現行運賃8,390円)・通学定期8,000円(現行運賃6,110円)、木古内駅から通勤定期3万5,750円(現行運賃2万6,670円)・通学定期1万5,130円(現行運賃1万1,360円)とされた。