引越し予定が2ヵ月の場合、契約は待ってもらえる?

引越し予定が2ヵ月の場合、契約は待ってもらえる?

引越し予定が2ヵ月の場合、契約は待ってもらえる?

気に入った住まいが見つかったけれど、引越し予定はまだ先。なんてことはありませんか?今回はそんな時に、新居のオーナーさんに待ってもらえるかどうかなど疑問に思うことを、 “不動産・住生活”のプロに伺いました。


Q 気に入った住まいが見つかったけど、当初の引っ越し予定は2カ月近く先。待ってもらえるかな?

A 住み替えを考え始めると、すぐにでも探したくなるものでしょう。今の時期は、繁忙期の1月~3月と異なり、物件探しもゆっくりできるのがメリットですから、納得いくまで見ていきましょう。ただ、引っ越しの予定までまだ時間があるのに、たまたま見た物件がとても気に入って住みたくなることがあります。

申し込みから審査合格まで

 物件を気に入って住みたいと思ったら、まず申し込みをして、審査を受けます。結果が出るまで数日から1週間程度。ただ、審査に通ったらその後、1週間から10日程度で契約という流れが一般的です。契約日が必ずしも家賃の発生日になるとは限りませんが、ここでさらに待ってもらっても数日ではないでしょうか。ですから、すぐ引っ越したとしても、新しい住まいと今の住まいの家賃の両方を払わなければならなくなってしまいます。つまり、一時的に二重家賃になってしまうのです。

まずは今の契約書をチェック

ここで、少しでも二重家賃を減らしたいと思うのであれば、まず、家を探し始めるときに、今の契約書を見て、退去を伝える時期を確認しましょう。たとえば、「退去の際には1カ月前までに通知すること」などとなっていれば、引っ越し予定の少なくとも1カ月前には「退去します」と伝えなければなりません。退去まで2週間しかなくても1カ月分の賃料を払わなければならないのです。

審査に通過したらすぐに退去の通知を

加えて、審査に通ったらすぐに今の住まいの退去を伝えましょう。そして、現在の住まいの契約日を、できるだけ遅らせてもらえるように、交渉します。その際「契約は早くしますが、二重家賃をできるだけ避けたいため、来月には必ず入居しますので家賃発生日を送らせてもらえませんか」と不動産会社に伝えましょう。不動産会社に理解してもらえるよう、誠実に丁寧に話すのがポイントです。くれぐれもゴリ押しするような態度はNG。「契約書に印鑑を早く押す」意志を明確に示して、大家さんに安心してもらうのもポイントです。

とはいえ、退去予定が2カ月先だとすると、2カ月間、新しい住まいの賃料を払わないでいるのはちょっと難しいかも知れません。気に入った場合でも、どうしても引っ越し予定が2カ月先になってしまう場合、その物件を見送って他を探すか、あるいは今のところとの二重家賃の支払いをガマンするかしかありません。とても気に入ったのであれば、ある程度の出費は目をつむることも必要かもしれません。物件との出会いは“縁”でもありますから。

高田七穂(たかだ なお):不動産・住生活ライター。住まいの選び方や管理、リフォームなどを専門に執筆。モットーは「住む側や消費者の視点」。書籍に『最高のマンションを手に入れる本』(共著)『マンションは消費税増税前に絶対買うべし!?』(いずれもエクスナレッジ)など。

 

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