「技術職」と呼ばれるエンジニアのお仕事。その中でも「デキる」と周りに思われているようなエンジニアにはどんな特徴があるのだろうか。今回はマイナビニュース会員のうち男女300名に、「デキるエンジニア」はどんなエンジニアだと思うか聞いてみた。
Q.「デキるエンジニア」はどんなエンジニアだと思いますか?
■高いトラブル対処能力
・「問題の本質を見つけられるエンジニア: 問題解決こそがデキるエンジニアの証明だと思う」(48歳男性/食品・飲料/事務系専門職)
・「トラブルに対応可: 前例がなくても対応できるか」(28歳女性/生保・損保/営業職)
・「問題志向力が高い: トラブルの際に回避できる方途をいち早く思いつくから」(35歳男性/団体・公益法人・官公庁/事務系専門職)
・「どんなトラブルでも早急に対処できる経験と能力、知識を持った人: 人が出来ない事を解決する力を持っているので」(33歳女性/通信/販売職・サービス系)
・「どこが調子悪いかを的確に見極められる: 的確に見極めができず、何度も修理のための手間をかけさせるようではエンジニアとして失格」(26歳男性/その他/その他)
・「リスクを事前に察知できること: 後から見つかるリスクは影響が大きいから」(38歳男性/通信/技術職)
■先読みする想定力
・「先読みができる: 想定外に対応できるから」(49歳男性/情報・IT/技術職)
・「仕上がりまでイメージが出来る: 頭の中でうまくいくとよい」(29歳男性/自動車関連/技術職)
・「見通しを持って、形にできるエンジニア: がんばったらできた、は子供のやり方……大人は、こうすれば出来るの再利用可能なケースを積み上げる」(50歳以上男性/情報・IT/技術職)
・「計画的に設計出来る: 時間や物そのものに対しても、計画的に動けることが必要だと思うから」(28歳女性/団体・公益法人・官公庁/事務系専門職)
・「システム全体を俯瞰できる人: 全体が把握できないと必要な事ができないので」(48歳男性/情報・IT/技術職)
■スピードと正確さ
・「仕事の処理能力が早い: 求められることを短時間で済ませられる人は信頼できるから」(22歳女性/金属・鉄鋼・化学/営業職)
・「早く仕上げる人: 逆にできない人は仕事が遅いから」(50歳以上男性/金融・証券/専門職)
・「スピーディかつ正確: 物事の根本を担うから」(23歳女性/団体・公益法人・官公庁/秘
・「正確な技術: 感情よりも大事と思う」(40歳女性/学校・教育関連/専門職)
・「すぐに対応する: 素早い対応は大事だから」(28歳男性/自動車関連/事務系専門職)
■ムラがない・冷静
・「仕事内容を俯瞰できて感情に溺れない: 冷静さがエンジニアには必須と思う」(45歳女性/印刷・紙パルプ/クリエイティブ職)
・「仕事にむらがない: 癖のある人がおおい……そのときにより、仕事にむらがある人もいたので」(43歳女性/学校・教育関連/事務系専門職)
・「その分野の知識があって冷静なところ: 機械相手にやるのでいつも冷静でないとだめですね」(30歳男性/運輸・倉庫/技術職)
■知識が広い
・「幅広い知識を持っている: 一つだけだと問題解決できないことが多いから」(50歳以上男性/その他/その他)
・「新しい技術をすぐに習得する: 新しい技術を習得しないとすぐにおいていかれるから」(33歳男性/電機/技術職)
・「ずっと学びの姿勢を崩さない: 謙虚な態度が知識を身に着けることに直結すると思う」(21歳女性/自動車関連/事務系専門職)
・「研究熱心であること: 知識が大事だから」(50歳以上男性/その他/事務系専門職)
■発想力・柔軟な思考
・「発想が豊か: ひらめきが重要だから」(27歳女性/食品・飲料/営業職)
・「言われたことを淡々とこなすのも大切だが、クリエイティブ精神のあるエンジニアのほうが一歩先を行っていると思うから」(27歳女性/金融・証券/事務系専門職)
・「複数の方法を思いつく: よりレベルの高いものを作り上げることに行きつく」(35歳女性/ソフトウェア/技術職)
・「いろいろなやり方を知っている: 難しい問題を解決出来るから」(39歳男性/情報・IT/技術職)
・「新しいアイディアをいろいろ言ってくれること: エンジニア以外にはわからないことも多いから」(31歳女性/マスコミ・広告/クリエイティブ職)
■コミュ力も重要
・「分かり易く仕事を説明でき、仕事を的確に行えるエンジニア: 専門性のない人とも上手くやっていけることが必要だから」(24歳女性/食品・飲料/営業職)
・「専門用語を使わなくても素人に説明できる人: 仕事はできても素人に説明するときに専門用語を使わなければ教えられない人はデキる人とは言えないと思うから」(33歳男性/小売店/販売職・サービス系)
・「きちんと客と会話ができる: 技術はあって当たり前、無愛想で黙っているエンジニアが多すぎる」(36歳男性/機械・精密機器/営業職)
・「シンプルなシステムを作れる人: 複雑だと作業する人が大変だし、変更があるときに余計難しくなるから」(31歳女性/金融・証券/専門職)
■周囲にまで気を配れる
・「生産の事まで考えて製品を仕上げられるエンジニア: すばらしい製品ができても量産に苦労するようでは会社の利益は中々上がらないから」(31歳男性/機械・精密機器/事務系専門職)
・「技術のことだけでなくビジネスを分かっている、配慮している: 技術追求するだけでは製品は売れないから」(34歳女性/金属・鉄鋼・化学/事務系専門職)
・「使う人のことを考えて設計している: 自分よがりの設計だと、使う人に満足してもらえないから」(37歳男性/情報・IT/クリエイティブ職)
・「相手のリクエストに的確に答えるべく技術を提供してくれる人: 相手の要望をきちんと理解して解決策を提案でき、実行するエンジニアはデキるエンジニアだから」(35歳女性/ホテル・旅行・アミューズメント/事務系専門職)
■プラスα
・「言われたことだけでなく、言われるであろう所まで気づく人: 技術屋は相手の望む一歩上を提供してこそ、真の技術屋だと思うから」(44歳男性/情報・IT/技術職)
・「受注した注文にプラスアルファを追加して納入できるエンジニア: 与えられた仕事を完璧にこなした上で何かプラスできるようだと凄いと感心させられるから」(36歳男性/情報・IT/技術職)
・「言われたこと以上の成果を出す: 期待値を超えていくことが評価につながる」(34歳男性/情報・IT/技術職)
・「自分の力で考えて、新しいものを生み出せる人: 言われたことだけやっていては成長しないから」(28歳男性/自動車関連/技術職)
■総評
「デキるエンジニア」の条件、最も多かったのは「トラブル」への対処能力だった。問題が起きたらすぐに対処できる、回避の方法を見つけられる、なにがトラブルの原因なのか的確に見極める、リスクを事前に察知できる……そんな危険管理能力がエンジニアには必須なようだ。中には「一つの部品から色々な事故を予想できる」なんて探偵のような力を望む声もあった。
さらに、エンジニアには「スピード」「正確さ」「冷静さ」「知識の豊富さ」も求められていた。前述の危機管理能力と重なるだろうが、問題が起きてから解決まではとにかく時間が勝負になってくる。知識と経験、それらを総合したひらめきが不可欠な世界のようだ。
コンピュータや機械など、モノに触れることが多いエンジニアは、一般的に、コミュニケーションが苦手で、無口な職人気質というイメージがあるようだ。そんな彼らに、エンジニアでない人たちからは「素人にも分かるようにやさしく説明できる能力」が望まれていた。「顧客とも会話」「専門性のない人とも上手くやって」くれると、非常に助かるとの声も。
デキるエンジニアは、技術ばかりではなく、さらに生産ラインや経営サイド、使用する顧客のことまで考慮に入れている、という意見も寄せられた。技術がすごいのは当たり前だが、頼まれたこと以上、依頼主の期待以上のものを作り上げるプラスアルファの力があるようだ。40代技術職の男性からは「相手の望む一歩上を提供してこそ真の技術屋」という言葉も寄せられた。エンジニアの人たちは胸に刻んでおこう。
調査時期: 2015年9月17日~9月19日
調査対象: マイナビニュース会員
調査数: 男性133名 女性167名 合計300名
調査方法: インターネットログイン式アンケート