2015年成長率が下方修正に
10月6日、国際通貨基金(IMF)が世界経済見通しを公表しました。
2015年世界経済成長率予想は、7月時点の予想3.3%から3.1%へ下方修正となりました。主な背景は、原油など商品価格の低迷です。
商品価格の低迷は、米国など先進国にとっては購買力増加につながりプラスに寄与したとみられ、米国の経済成長率予想は、7月時点の2.5%から2.6%に上方修正されています。一方、新興国は資源輸出国を中心に、成長の鈍化につながると見込まれました。
中国は下方修正なし!
「中国ショック」で世界のマーケットを混乱に陥れた中国は急減速が懸念されていましたが、7月時点の予想から変わらず6.8%の経済成長率予想となりました。
一方、ブラジル・ロシアなどは大幅に下方修正されました。
新興国のなかで明暗を分けた理由は、何だったのでしょうか?
この違いは、ブラジル・ロシアなどが資源の輸出国であるのに対して、中国がその輸入国であることが理由と考えられます。
中国の輸出は不調ですが、それ以上に原油価格などの下落が輸入金額の下落につながり、貿易収支にプラスに寄与すると見込まれたようです。
慎重な姿勢で見極めるべし
今回の世界経済見通しでは下方修正された国があるなか、米国は上方修正、ユーロ圏や中国は据え置かれています。
ここ最近の市場では、中国景気の急減速への懸念が高まっていました。
しかし、今回のIMFの「中国の経済成長率、据え置き」との判断により、マーケットが冷静さを取り戻すことかできれば、株価が反発する可能性もあるかもしれません。
とはいえ、米国の利上げの動向等には注意を払う必要がありそうです。
●ピクテ投信投資顧問が提供する、「ボンジュール」からの転載です。