JR東海は22日、N700Aの追加投入について発表した。2016~2019年度にN700Aをさらに20編成投入し、700系を置き換える。東海道新幹線はすべて「N700Aタイプ」となり、最高速度285km/hに統一。安全・安定輸送の実現を図るという。
N700Aは2013年から営業運転を開始した車両。中央締結ブレーキディスク、台車振動検知システム、定速走行装置を搭載するなど、N700系をさらにブラッシュアップし、安全性・信頼性を向上させた。後にN700Aで採用された機能の一部をN700系に反映させる改造も実施され、JR東海が保有する新幹線車両の8割以上が「N700Aタイプ」となる予定だ。
N700Aの追加投入編成は、地震ブレーキや故障を未然に防ぐ機能を強化し、安全性・安定性を向上させたことが特徴。新開発のブレーキライニング(車輪とともに回転するブレーキディスクを挟み込むことで車両を減速・停止させる部品)により、地震ブレーキの停止距離が従来のN700Aより約5%短縮され、最高速度285km/hから約3kmで停止するという。
台車振動検知システムやATC状態監視機能も強化され、パンタグラフに状態監視機能も追加。カメラによる画像記録と電流測定でパンタグラフの状態を把握できるようになる。走行中の車両データの監視機能を強化することで、質の高い検査の実現と安定性向上を図る。
N700Aの追加投入編成は、2016年度に1編成、2017年度に7編成、2018年度に7編成、2019年度に5編成の計20編成を投入予定。2017年度以降、追加投入編成の特徴を既存のN700系・N700A(計111編成)に反映させる改造工事も順次行う。N700Aの追加投入および既存車両の改造工事はともに2019年度末までとされ、同時期に700系の置換えも完了。快適性・環境性能に優れた「N700Aタイプ」に統一される。概算費用は約1,040億円。