観光庁は21日、全国のホテルや旅館を対象に、入れ墨(タトゥー)がある人の温泉入浴を認めるかどうかを尋ねた初の調査結果を発表した。それによると、入れ墨がある人の入浴を断っている温泉施設は全体の55.9%となった。

入れ墨があっても拒否しない施設は3割

同調査は、過去に入れ墨がある外国人旅行者の入浴が問題になったことを受け、外国人旅行者が急増する中、問題の再発を懸念して、実態を調べたもの。

入れ墨がある人の入浴を「断っている」施設は55.9%。一方、「断っていない」のは30.6%、シールで隠すなど「条件付きで許可している」のは12.9%だった。

入れ墨のある人の入浴の可否状況(出典:観光庁Webサイト)

入れ墨がある人の入浴を断る経緯を尋ねたところ、「風紀、衛生面により自主的に判断している」が最も多く58.6%。次いで「業界、地元事業者での申し合わせ」が13.0%、「警察、自治体等の要請、指導によるもの」が9.3%となった。

入れ墨がある人の入浴に関したトラブルの発生の有無を聞くと、「ない」が78.3%、「ある」が18.6%となった。

同庁は「今後は改めて調査を行い、条件付きで入浴を認めている施設の具体的な内容などを調べていく。当面は、施設管理者と利用者の摩擦を避けるために、双方に対して適切な情報提供を行っていく」と説明している。

調査対象は全国のホテル、旅館3,768施設で、有効回答数は581施設(15.4%)。