財務省は21日、2015年9月の貿易統計(速報、通関ベース)を発表した。それによると、輸出額から輸入額を差し引いた貿易収支は1,145億円の赤字となった。赤字は6カ月連続。赤字幅は前年同月比88.1%減と大幅に縮小した。同省は赤字幅が縮小した要因について、「原油価格の下落や円安の影響による」と分析している。
対中国の貿易赤字は9月として最大
輸出額は同0.6%増の6兆4,174億円と、13カ月連続の増加。品目別では、自動車が同7.6%増、半導体等電子部品が同8.5%増、鉄鋼が同17.0%減などとなった。
輸入額は同11.1%減の6兆5,318億円と、9カ月連続の減少。品目別では、原粗油が同43.7%減、液化天然ガスが同32.4%減、石油製品が同23.9%減などとなった。
地域別にみると、対米国は、輸出額が同10.4%増の1兆2,790億円、輸入額が同0.1%減の6,172億円で、6,618億円の黒字。黒字額は13カ月連続で増加した。
対EUは、輸出額が同5.1%増の6,821億円、輸入額が同3.5%減の6,748億円で、73億円の黒字。黒字は9カ月ぶりとなる。
対アジアは、輸出額が同0.9%減の3兆4,097億円、輸入額が同1.0%減の3兆4,123億円で、27億円の赤字。赤字は7カ月ぶりとなる。
対中国は、輸出額が同3.5%減の1兆1,139億円、輸入額が同0.9%増の1兆8,439億円で、7,301億円の赤字。赤字は43カ月連続で、赤字額は9月としては過去最大となった。同省は輸出額が減少したことについて、「中国経済の減速による影響も一定程度あるのではないか」と推測している。
2015年度上半期の貿易赤字は1兆3,086億円
併せて発表した2015年度上半期(2015年4~9月)の貿易統計(速報、通関ベース)によると、貿易収支は1兆3,086億円の赤字となった。赤字は9期連続で、赤字幅は前年同期と比べて76.0%減少した。
輸出額は同5.2%増の37兆7,590億円と、5期連続の増加。品目別では、自動車が同9.0%増、半導体等電子部品が同9.8%増、鉄鋼が同6.0%減などとなった。
輸入額は同5.5%減の39兆676億円と、2期連続の減少。品目別では、原粗油が同34.0%減、液化天然ガスが同36.6%減、石油製品が同26.3%減などとなった。
地域別にみると、対米国の貿易収支は3兆4,001億円の黒字で、2期連続の増加。対EUは3,710億円の赤字で、7期連続の赤字。対アジアは1兆3,349億円の黒字で、3期連続の黒字。対中国は2兆9,634億円の赤字で、赤字幅は10期連続で拡大した。