経団連と東京経営者協会は15日、2015年3月卒の「新規学卒者決定初任給調査結果」を発表した。調査期間は5月29日~6月26日、回答企業は488社。

すべての学歴で1,000円超の引き上げ額

「2015年卒新入社員の初任給」について、「前年の初任給から引き上げた」という企業の割合は57.9%。一方「給料据え置き」は41.9%、「給料を引き下げた」という企業はわずか0.2%だった。

「2015年卒新入社員の初任給の決定状況」

「給料を引き上げた」という企業の数は、2013年(9.1%)から大幅に増加した2014年(42.5%)を更に上回り、1.7社に1社が引き上げた計算になる。初任給を引き上げた企業の割合が半数を超えたのは1998年(64.9%)以来17年ぶり。

「給料を引き上げた企業割合の推移」

「初任給決定に当たって最も考慮した判断要因」の1位は「世間相場」(29.3%)、2位に「在籍者とのバランスや新卒者の職務価値」(19.7%)が続く。一方、月例賃金の水準引き上げを行った企業が増えていることを背景に、「賃金交渉の結果、その配分で決めた」企業が15.8%と2014年に続き増加したほか、「人材を確保する観点から決めた」企業(14.3%)も同様の傾向があらわれた。

「学歴別の初任給の引き上げ額」は、1,276円~2,229円(2014年調査:592円~1,228円)と、すべての学歴で1,000円超。学歴別にみると、大学院卒(事務系・技術系とも)、大学卒(事務系)では2,000円を超える引き上げ額となった。この結果、大学卒の初任給額が、事務系・技術系いずれも本調査開始以来、初めて21万円台となった。

「学歴別の初任給の引上げ額」

対前年引き上げ率は、大幅な上昇となった2014年に引き続き、0.77%(高校卒現業系)~1.01%(高校卒事務系)と、多くの学歴で1%前後の高い伸びとなった。これは、初任給を据え置く企業が増加した結果、すべての学歴において1%未満となった1995年以降で、最も高い水準である。