説明書を読まなくても使い方がわかるのが、iPhoneの魅力であり強みです。しかし、知っているつもりでも正しく理解していないことがあるはず。このコーナーでは、そんな「いまさら聞けないiPhoneのなぜ」をわかりやすく解説します。今回は、「iPhoneからプリンタを遠隔管理できるの?」という質問に答えます。
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iOSの印刷機構「AirPrint」に対応するプリンタであれば、いろいろなことがiPhoneから処理できます。Safariや「メモ」など、共有メニューに「プリント」アイコンが表示されるアプリであれば、アプリで表示している文書を印刷できます。
AirPrintは、2010年秋に公開のiOS 4.2.1以降でサポートされています。2015年現在、国内外の多くのプリンタメーカーからAirPrint対応モデルが発売され、その数は数百にも達しています。ここ数年で発売されたWi-Fi対応の中上位モデルは、かなりの確率でAirPrintに対応しています。AppleはAirPrint対応プリンタの一覧ページを用意しているので、チェックしてみましょう。
AirPrintは基本的にPDFを出力する機能で、写真/画像を含むさまざまな文書はPDFとしてプリンタへと送信されます。ネットワークに接続された機器のサービスを設定なしで利用可能にするしくみ(Apple製品では「Bonjour」と呼ばれるゼロコンフィグレーション機能)もポイントで、ただ同じネットワークに接続するだけでiPhoneから印刷できるようになります。
そのAirPrintは、インターネット・プリンティング・プロトコル(IPP)と呼ばれる仕様に従い、印刷データの送受信や印刷機器の制御をおこないます。プリンタメーカーの多くが、インク残量などの情報を確認できるiOSアプリをApp Storeで公開していますが、そのアプリはIPP経由でステータス情報を取得していると推測されます。
ステータス情報の取得は、システム標準の機能として強化される方向でiOSは進化しています。iOS 9では、一部のプリンタはAirPrintのプリンタ情報画面でインク残量を確認できるようになりました。従来も用紙切れのときなど警告を発する場面はありましたが、今後はより多機能化するかもしれません。