みずほ銀行は14日、シリコンバレーに本社を置くSimpleEmotion社(以下SE社)と、コールセンターにおけるオペレーターのさらなる応対品質向上を目的に、SE社の音声感情認識技術をみずほ銀行のコールセンター業務へ試行導入することに合意したと発表した。このたびのSE社との試行は邦銀初の試みとなるという。

オペレーターの更なる応対品質向上を目指す

SE社は、スタンフォード大学生のMatthew Fernandez氏とマサチューセッツ工科大学生のAkash Krishnan氏が2012年に共同設立したベンチャー企業。SE社の音声感情認識技術は、人の声の周波数などから、話者の感情を、どの言語でも識別することが可能だという。SE社はその技術の活用領域をコールセンターだけでなく、ロボティクス、ヘルスケアなどの幅広い分野とし、各社の業務特性にあったソリューションの提供を行っているとしている。

みずほ銀行は、2月よりコールセンターにおいてIBM Watsonテクノロジー(※1)を導入し、「より正確」かつ「よりスピーディー」な応対の実現を目指しているという。このたび、SE社の高い技術力をコールセンターに活用することで、オペレーターの更なる応対品質向上を目指すとしている。

みずほ銀行によると「オペレーターの話し方によって、目に見えないお客様の感情がどのように変わるのかといったデータをとり、ノウハウを取得することでオペレーターの品質向上につながることを目的とする実証実験」としている。

(※1)IBM Watsonテクノロジーは、質問や対話に基づいて、タイムリーに的確な回答を導き出すためのコグニティブ・コンピューティング(情報を分析し、学習や推論を行い、アクションに結びつける、といった人間の認知的活動の実現を目指したコンピュータ技術)の基盤。学習機能を備えており、経験を重ねる中で自律的に回答の精度を高めていくことができる。

また将来的には、顧客とのコミュニケーションにおいて、IBM Watsonテクノロジーと連携させた最適なOne to One応対や、店頭やロボットなどの他チャネルへの活用を展望しているという。

みずほ銀行は、今後も先進的なIT技術を持つ国内外の企業との連携に積極的に取り組み、利便性の高いサービスを提供することで、顧客のニーズに応えていくとしている。