6人組アイドルユニット・ゆるめるモ!が初めて主演する映画『女の子よ死体と踊れ』(10月31日公開)の主題歌「人間は少し不真面目」のミュージックビデオ(以下MV)が15日、公開された。
映画劇中では、メンバーがそれぞれ自身の名前で出演。結成時からのメンバー"けちょん"らは清掃会社YMMクリーニングでバイトする、どこにでもいる5人の少女たちとして登場する。つまらない毎日を過ごしていた5人は、ある日、森の中の清掃現場で透き通るように美しい少女の死体"あの"を見つけてしまう。ノルウェーのブラックメタルバンドの儀式を使って死体をよみがえらせることに成功した5人だったが、死体には秘密が隠されており、ある事件に巻き込まれていくというファンタジックなホラー映画に仕上がった。
本作は、共に過ごした時間の中で変化していく6人の心情が描かれ、主題歌はそのエンディングに流れる。同曲のMVは、歌詞冒頭にも登場する"陽が沈む時"に、ビルの屋上で全員が白い衣装に身を包んで踊り、戯れて遊ぶシーンを撮影。予告編未収録の映画本編の映像が随所に挿入されており、終盤では拳銃を放つ6人の"強さ"と可憐に踊る"純粋さ"が交互に映され、全編約6分45秒にも及ぶ。
踊りのシーンの振り付けは、メンバーの"もね"が担当。当時、主題歌は完成しておらず、別の楽曲を使っての撮影となった。もねは、「このダンスは、ゆるめるモ!の『NNN』という曲の振り付けです。曲は確かに違いますが、後から映像を見たらとても合っているような感じがしたので、良かったんじゃないかな、と個人的には思っています」と自信を見せた。また、「『NNN』では生と祈り、というところに重きをおいていて、全体的に儀式のようなバレエ要素の高い振り付けにしていて、そういう意味では『人間は少し不真面目』と似ている部分もあるな、と思いました」と裏側を明かし、「映画の中で輪になって踊るところが1番好きなので、そこに自分の振り付けを入れてもらえたことが、あ、自分でも役に立てた! と思ってうれしかったです」と笑いながら喜びを表した。
ゆるめるモ!のプロデューサー・田家大知氏は「映像を見た瞬間、これはシューゲイザーだ! と思いました。太陽の光がホワイトノイズに溶け合うような質感です」と興奮気味。「マイ・ブラッディ・ヴァレンタインやスロウダイヴなどのイメージで、と作曲のハシダ(カズマ)さんに要望を伝えて、映像を見せたら、物凄く素晴らしい曲があがってきて、作詞の小林愛さんにも映像を見せたら泣ける詞を書いてくれました。映画の感動も相まって奇跡のような1曲です」とアピールしている。
シューゲイザーとは、1990年代初頭に主にイギリスで興隆したオルタナティヴ・ロックの1つ。エフェクターを用いたエレキギターでの"音の壁"とも呼ばれる大轟音とささやくようなボーカルの歌唱、そして足元(シュー)を見つめ続ける(ゲイズ)内向的なステージパフォーマンスなどで話題を集めた。代表的なバンドに、マイ・ブラッディ・ヴァレンタインやライド、ペイル・セインツなどがいる。ブームは一過性のものだったが、2000年代半ばに再評価され、日本を含む各国から多くのバンドが登場した。これまでニューウェーブやポスト・パンクを基調としてきた、ゆるめるモ!がシューゲイザー楽曲を発表するのは異色のこと。なお、主題歌を含む5曲入りの映画スペシャルCD『女の子よ死体と踊れ』は、21日に発売される。
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