説明書を読まなくても使い方がわかるのが、iPhoneの魅力であり強みです。しかし、知っているつもりでも正しく理解していないことがあるはず。このコーナーでは、そんな「いまさら聞けないiPhoneのなぜ」をわかりやすく解説します。今回は、『「バックグラウンド更新」をオフにして困ることってありますか?』という質問に答えます。

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iOSアプリのなかには、アクティブな状態(アプリ画面が表示された状態)以外でも処理や通信を行うものが存在します。ホームボタンが押されてアプリが閉じられても、他のアプリに切り替えられても、プログラムの一部(プロセス)が継続動作していればいいのです。「ミュージック」を閉じても音楽の再生が続いたり、「メール」を起動していないのに新着メールを知らされたりするのは、アプリのプロセスが背後で動作(バックグラウンド更新)しているからにほかなりません。

プロセスが動作するということは、CPUに負荷が生じてバッテリーを消費することを意味します。音楽の再生やメールの到着といった処理には役立ちますが、不要不急の処理を行うアプリがCPUに負荷をかけ続けては単なる電力のムダです。そのため、すべてのアプリがバックグラウンド処理を行うわけではなく、音楽再生や地図の表示、その他通信が必要なものなど特定ジャンルのアプリに限定されています。

アプリのバックグラウンド更新は、ユーザの権限で禁止することができます。「ミュージック」や「メール」などiOS標準装備のアプリは除外されるものの、App Storeでダウンロードしたサードパーティー製アプリは原則としてバックグラウンド更新の許可/不許可を自由に変更できます。

ただし、バックグラウンド更新を不許可にすると、アプリが持つ機能が制限されます。例を挙げれば、サーバから最新の気象情報を受け取りにわか雨を知らせてくれるアプリ、オンラインストアの値下げ情報/タイムセールを知らせてくれるアプリ、最新ニュースの掲載を知らせてくれるアプリ……いずれも、そのアプリを手動で起動しないかぎり最新の情報が届かなくなります。バッテリー消費量が多少減るとはいえ、利便性が犠牲になるわけですから、ほどほどにしておいたほうがいいでしょう。

ユーザの判断でバックグラウンド更新を停止すると、アプリが持つ本来の機能/利便性を損なうことがあります