「チャイナ・ショック」後

8月下旬、中国の景気先行き懸念から世界的な株安の波が駆け巡り、「チャイナ・ショック」が起きました。また、9月に米国の政策金利の据え置きが決定され、世界経済の先行き不透明感が強くなりました。

こうしたことから、震源地であった中国を含む新興国株式は、低調な動きとなりましたが、新興国株式の足元の状況はどうなのでしょうか? バリュエーション(投資価値評価)で確認してみましょう。

割安感をみる

株安を受け、新興国株式のバリュエーション水準は、低下傾向にあります。新興国株式の株価純資産倍率(PBR)に注目してみましょう。株価の割安・割高を判断するPBRは、株価収益率(PER)と並ぶ代表的な指標です。会社の純資産に対して、現在の株価が割安かどうかを判断し、PBRが低ければ低いほど株価が割安といえます。

2015年9月末の新興国株式の実績PBRは1.4倍と先進国株式の2.0倍を下回り、過去20年間の平均1.8倍を大きく下回る水準にあります。

高い関連:割安感とリターン

では、気になるパフォーマンスはどうだったのでしょうか。過去のデータでは、実績PBRが低い水準時に投資した場合、その後、高いリターンを得られました。

短期的には、新興国株式は不安定な動きとなる可能性も残されています。しかし、バリュエーションは、歴史的な割安水準にあります。今後、これまでの悪材料を払拭するようなことがあった場合、株価は大きく反転する可能性があります。

株価だけでなく、バリュエーションに注目することも大事ですね。

(※新興国株式:MSCI 新興国株価指数、先進国株式:MSCI 世界株価指数)(※リターンは円換算、配当込 ※MSCI 指数は、MSCI が開発した指数です。同指数に対する著作権、知的所有権その他一切の権利はMSCI に帰属します。またMSCI は、同指数の内容を変更する権利および公表を停止する権利を有しています)(出所:トムソン・ロイター・データストリーム、ブルームバーグのデータを使用しピクテ投信投資顧問作成)

●ピクテ投信投資顧問が提供する、「ボンジュール」からの転載です。