バイタミックス・コーポレーションはこのほど、ローフードのスペシャリストを招へいし、「 秋・冬の気軽なローフードライフ」を提案するセミナーを実施した。
同社は今月から、日本の消費者が食生活に多くの野菜を取り入れる活動を推進するため、厚生労働省が実施する「Smart Life Project(スマート・ライフ・プロジェクト)」に参画している。同イベントはその一環として行ったもので、ローフードのスペシャリストである仲里園子氏、山口蝶子氏を招いて行った。
ローフード(Raw Food: 生食主義)は健康的な食生活の一つとして、1990年代後半からアメリカの西海岸エリアを中心に始まった食事方法のこと。生もしくは48℃以下で低温調理した食品を中心に食べることにより、高温加熱によって失われがちな食材に含まれる栄養素や酵素を最大限に摂取することができるとされている。現代人が不足している多くの栄養素を補えるとのこと。
日本では昔から漬物、納豆、焼き魚、大根おろしなど、酵素を取り入れる食生活が根付いている。しかし仲里氏によると、現在は食生活が欧米化し、生の野菜やフルーツの摂取量が不足しているという。「本当は日本人にも親しみがあるローフードというコンセプトを取り入れ、気軽に健康的な食生活を送ることをおすすめします」と仲里氏。
日本人に合ったローフードの取り入れ方は、「国産の旬の食材を取り入れること」が大切とのこと。ローフードを取り入れると体が冷えるという意見もあるが、暖かい地域の食材は体を冷やすものが多いため、日本の冬にとれる食材をできるだけ取り入れることがいいという。また、生の食品は消化されやすいと言われており、グリーンスムージーであれば食後よりも食前、サラダであれば食事の初めの方に食べるのがおすすめとのこと。
なお、会社員におすすめのローフードの摂取方法として、朝食の代わりにグリーンスムージーを取り入れることを挙げている。慣れてきたら、サラダを弁当に持って行くのもいいという。外食の夜は好きなものを食べ、たくさん食べ過ぎてしまった翌日は、午前中だけでも葉野菜とフルーツのグリーンスムージーで過ごすのもよいとのこと。
さらに、甘いものが好きな人には、乳製品、小麦、卵や白砂糖を使わないロースイーツをすすめている。ナッツやフルーツ、ドライフルーツ、生はちみつなどの体にやさしい甘味料を使っているので、満足感が得やすいとのこと。秋はぶどうやなし、柿などの果物が旬を迎えるので、ローフードを取り入れるのに適した時期だという。
一方、初心者へのアドバイスとして、難しく考えず、まずはグリーンスムージー1杯から気軽に試してみることを提案している。継続して楽しむには、無理をしないことが大切とのこと。1日1杯のグリーンスムージーや、サラダや漬物など生のものを1品用意するなど、取り入れやすい方法を見つけて「楽しむ」ことが継続の秘けつとしている。
なおローフードの効果について、のがたクリニックの渡辺幸康医院長は、「ローフードが効果的なのは、便秘がひどい、おなかがはるといった胃腸症状を持った人です。その他には、骨粗しょう症や痛風の人にも効果が期待できます」と語っている。
骨粗しょう症や痛風は、体が酸性になることによって起きる病気のため、体をアルカリ性にするローフードを摂取することによる効果が見込めるという。「わずか20年の間に、骨粗しょう症や痛風になっている人が2.5倍から4倍に増えている現実があります。ローフードの摂取で劇的に改善されるのではないかと思います」と期待を寄せた。