10月7日から千葉県の幕張メッセにて開催中の、最先端IT・エレクトロニクス総合展「CEATEC JAPAN 2015」。パナソニック、サムスン、ソニー、東芝の4社が開発したコンテンツ保護技術「SeeQVault(シーキューボルト)」のライセンス提供を行うNSM Initiatives LLCは、今回もCEATECへ出展していた。

前回、CEATEC JAPAN 2014のSeeQVaultブースでは主に、テレビやレコーダーなどを買い替えると、以前使用していた機器で録画したデータを再生できなくなるというトラブルを解消する技術として紹介されていた。今回は趣向を変えて、自宅で録画したHDコンテンツをスマートフォンで再生するという、アウトドアでの楽しみ方を提案している。

SeeQVault(NSM Initiatives LLC)ブース。「HOME」と「OUTDOOR」と大きく2つに分けた展示となっていた

【左】HOME側では前回同様、レコーダーなどを買い替えてもコンテンツをそのまま楽しめることをアピール。【右】一方、OUTDOOR側では家で録画した動画を持ち出して、スマートフォンやパソコンで閲覧可能という使い方をアピールしていた

外出先でもコンテンツを楽しむために必要なのが、SeeQVaultの暗号化に対応したmicroSDカードと、同じくSeeQVaultの暗号化に対応したUSB接続のmicroSDカードリーダーだ。市販の多くのスマートフォンやパソコンはSeeQValutの暗号化に対応していないため、後者のSeeQVault対応microSDカードリーダーが必要となる。ただ、富士通のスマートフォン「NX F-02H」や、東芝のパソコン(2015年夏/秋冬モデル)の一部は、SeeQVault対応(micro)SDカードスロットを標準で搭載している。加えてVAIOなども、SeeQVault対応パソコンの製品化に前向きであるという。

【左】スマートフォンで録画コンテンツを視聴する場合は、microSDカードが必要。SeeQVault非対応スマートフォンなら、さらに対応のカードリーダーも必要。【右】非対応のスマートフォンに、SeeQVault対応カードリーダーを付けてmicroSDカード内のコンテンツを視聴した例。写真ではテレビ番組にモザイクを掛けているが、録りためた番組を通勤時に見るという使い方も可能に

また、2015年末に発売されるデジオンのサーバーソフト「DiXiM SeeQVault Server」を使用すると、SeeQVault非対応のレコーダーで録画したコンテンツでも、DTCP-IPムーブ機能を使用して、SeeQVaultメディアへコンテンツを移動できるようになる。つまり、SeeQVault非対応機器からSeeQVaultメディアへダビングできるというわけだ。

これらSeeQVault対応製品を利用することで、家で録画したHDコンテンツを外でも楽しめるようになる。録画した番組を家で見る時間はないが、長い通勤時間で見ることができるとしたら、興味が湧いてくるのではないだろうか?

なお、コンテンツを持ち出してAndroid端末から直接再生するには、ピクセラが提供するアプリ「SeeQVault プレーヤー」が必要だ。SeeQVaultのキラーアプリとして期待がかかっているためか、「当面は無料で提供する」(担当者)とのことだ。

【左】持ち出したコンテンツをパソコンで見るためにはプレイヤーソフトが必要。また、DTCP-IP機器からのコンテンツムーブに対応するDiXiM SeeQVault Serverは、ブース内のパネルに「11月発売予定」と記載が。【中】参考出品された東芝のレグザサーバーには、SeeQVault対応のSDカードスロットがあるのでコンテンツムーブも容易。SeeQVault対応TransferJetアダプタを用いれば、すばやくコンテンツ移動を行える。【右】SeeQVaultのライセンス取得会社も増えており、特にレコーダー用HDDが多く登場

SeeQVault導入のメリットがイラストで説明された小冊子を配るコンパニオンのお姉さん