フラッシュを活用した仮想化環境専用ストレージ「VMstore」を展開するティントリ。9月24日には初のオールフラッシュ製品「T5000シリーズ」を投入。3D-CAD対応のVDI環境やHadoop環境でのビッグデータ解析といったニーズにも対応した。そこで、ティントリジャパン 技術本部長の村山雅彦氏に新製品の狙いや今後の製品展開について話を聞いた。

「Tintri VMstore T5000 オールフラッシュ シリーズ」

仮想化環境に特化したストレージとして、VDIやサーバ統合、データベース基盤などで利用されている「VMstore」。同製品は、ハードディスクとフラッシュを組み合わせることで高いI/Oパフォーマンスと大容量を両立させながら、VM単位でワークロードを把握してパフォーマンスを担保したり、VM単位でQoS設定を自動化したりといった、"VMアウェア"な機能を提供することが大きな特徴だ。村山氏は、VMstoreの用途について、こう話す。

ティントリジャパン 技術本部長の村山雅彦氏

「vSphere、Hyper-V、KVMといった複数のハイパーバイザーに対応しているため、タイプの異なるVMやワークロードを1つの筐体内で同時に稼働できます。大規模なトランザクション環境や高速なデータ分析環境といった異なるワークロードを単一のプラットフォームで管理したり、VMやデータのバックアップ環境を効率的に構築したりと、新しいストレージの使い方をするケースが増えています」

最近は、あらゆる業務システムが仮想化環境の上に乗りつつある。米国ではワークロードの仮想化率はすでに75%に達しており、2018年には82%に達する見込みだ。そんな中、同製品の利用シーンはこれまで以上に広がっている。

とはいえ、VMstoreでは十分にカバーできていない領域もあった。たとえば、数テラバイトクラスのデータベース環境や、大規模なデータウェアハウス、3D-CADのような大容量かつ高速性が必要なハイエンド用途仮想デスクトップ、ビッグデータ解析などだ。

VMstoreは、フラッシュとハードディスクを階層化し、アクセス頻度の高いデータをフラッシュ上に配置することでI/Oパフォーマンスを高めている。そのため、巨大なデータアクセスが集中してフラッシュの領域が足りなくなると、一部のVMのレスポンスが低下したりするケースがあった。

「そうした用途をカバーするのがT5000シリーズです。巨大なデータアクセスやフラッシュを使いきってしまうようなケースでも、I/Oパフォーマンスを維持することができます。これにより、単一のプラットフォームで考えられるすべてのワークロードに対応できるようになりました」(村山氏)

Tintri VMstoreの適用範囲