整体師のりょうです。肩こりや首こりにお悩みの方はとても多いですよね。これまでに解消法をたくさん紹介してきましたが、今回はスッと気持ち良くなる「究極ストレッチ」をご紹介しましょう。

効果は抜群ですが、見た目がちょっと特殊です。くれぐれも家の人に、「ストレッチ中である」と伝えてから行ってくださいね(笑)

シンプル・イズ・ベスト

写真を見るだけでは「な~んだ、こんな簡単なポーズ! 」と思われるでしょう。そして、「そんなので効くわけないよ! 」と思われる人もいるはずです。そんな気持ちになった人こそ、ぜひやっていただきたいです。なぜなら、「シンプル・イズ・ベスト」を体感できるからです!

まず写真2枚をご覧ください。これは準備段階です。肘をついてよつんばいになりますが、頭頂部を床につけてください。そして両手を組んで、頭が動かないようにしっかり支えます。

頭頂部を床につけてください

両手を組んで頭を支えます

呼吸を止めず、伸びている部分をしっかり意識

ではこれからストレッチを始めます。まず首の後ろを伸ばすストレッチです。大きく息を吸って、ゆっくり吐きながらゆっくりとお尻を前方へ押し出して静止してください。このとき、頭は動かないように支えられていますので、首の後ろ側に押される感覚になるはずです。それが首の後ろ側のストレッチができている証拠です。

身体は静止しても、呼吸はゆっくりと行ってください。決して止めてはいけません。20~30秒ほど静止したらいったん準備の形に戻り、呼吸を整えます。

ゆっくりとお尻を前方へ押して静止します

側頭部を右側へ倒す

次に側頭部を右側へ倒します。先ほどと同様、大きく息を吸ったらゆっくり吐きながら側頭部を右側へ倒していきます。身体は20~30秒程度静止しますが、呼吸はゆったり行ってください。

側頭部を倒すというのがうまくできない人もいるかと思います。その場合、右の耳を外へ押し出すような気持ちで行ってください。決して肩が右へ倒れるようなものではありません。首から肩にかけてストレッチできていると感じればOKです。うまくできたら準備の形へ戻ってください。

側頭部を右側へ押して静止します

側頭部を左側へ倒す

では次に、先ほどと反対方向の左側へ倒します。要領は右側と同じです。側頭部を左側へ押し出しますが、左耳を押し出すイメージで行うと分かりやすいです。

側頭部を左側へ押して静止します

あごの位置を変えると、違う筋肉が伸びる

写真では紹介しにくいので言葉だけになりますが、横向きに押し出すストレッチの際、あごを少し動かしてみてください。違う筋肉が伸びるのが分かると思います。

横へ向けるだけのときは、主に「僧帽筋(そうぼうきん)」という筋肉のストレッチができます。さらにあごを動かすことで、耳から鎖骨にかけて伸びる「胸鎖乳突筋(きょうさにゅうとつきん)」という筋肉のストレッチが可能です。その差はこのような写真で撮影することがとても難しいくらい、ほんの少しの差です。ぜひ試して実感してください。

ストレッチを続けると身体は変わる

高齢者向けにストレッチ教室の講師をしていて感じたことですが、年齢に関係なく始めた人から身体に変化が起こります。実際に変化を感じた人からは、「ストレッチを始めてから身体が軽くなった」「いきいきと動きやすくなった」などのうれしい言葉をいただきます。

ヨガは「●●のポーズ」という完成形を目指しますので、身体の硬い人は挫折しやすいです。しかしストレッチは、その人の身体に応じた角度、強度でOKなので、運動経験や年齢に関係なく続けやすいのが特徴です。ただし、一時のものではなく、続けることが大切です。ストレッチを続けて健康で楽しい毎日を過ごしましょう!

著者プロフィール

鮎川 良
奈良県の学園前にて「RYO整体院」を営む整体師ランナー。整体師だからこそ分かる身体のメカニズムを基に、ストレッチの重要性を説き、クリニックも開催する。ストイックにタイムを追求するよりも、健康で楽しいマラソンライフを提案。筋肉痛になりにくい身体作りや疲労回復のケア方法、自身が提唱する疲れにくいランニングフォーム「エンジョイラン走法」で、フルマラソン走破を目指す人のサポートをしている。著書に『がんばらないで楽に長く走る』(学研パブリッシング)がある。また、累計283万アクセス超の人気ブログ「整体師に学ぶ~マラソンによる筋肉痛改善方法と、フル完走ノウハウ」も執筆している。