近年、すっかりブームとなっている万年筆。でも一般的には、万年筆をふだんから使っている方はそれほど多くないのではないでしょうか。「すごく高いんでしょ?」「使うのが難しそう」「お手入れがめんどくさそう……」といったイメージを持っている方も多いはずです。「万年筆を使ってみたいと思ってもなかなかその世界に踏み込めない」と思っている方もいるかもしれません。

ですが、そんなことはありません。安価でも使い勝手のいい万年筆や、お手入れが簡単で気軽に使える万年筆も、実はあるんです! 今回は「これから万年筆を使ってみたい!」という方、「万年筆初心者だけど何を使えばいいの?」と悩んでいる方におすすめの、気軽に普段使いできる万年筆を3本ご紹介します。

初めての万年筆には「カクノ」がぴったり!

初めて万年筆を使うという方にぴったりなのが、パイロットの「カクノ」。万年筆ブームの火付け役として大ヒットしたアイテムです。

パイロット「カクノ」

オレンジやピンクといったカラフルなキャップ、ペン先のかわいらしい笑顔マークなど、これまでの万年筆にはあまりなかったポップなデザインを採用し、子供や万年筆を初めて使う人でも親しみやすい1本となっています。

また、価格も1,000円(税別)と安価なので、「万年筆を使ってみたいけれど、いきなり高いものは買えないなあ」と思っている方でも気軽に使えます。まさに万年筆ビギナーに最適ですね。

カジュアルさと安定感を兼ね備えた「サファリ」

次にご紹介するのは、文房具好きの間では定番中の定番、ドイツの筆記具メーカー ラミー(LAMY)の「サファリ」。

ラミー「サファリ」

価格は約4,000円。「kakuno」と比べるとやや値は張りますが、値段以上の価値を感じられるカジュアルかつ洗練されたデザインが魅力的。軽くて丈夫なので、ガシガシ使っても大丈夫な安定感があります。大きなクリップが付いているのでシャツやカバンのポケットにもしっかりと挟んでおけます。

特徴的なのはグリップ部分。持ち手にフィットする絶妙な形が、更に書きやすさを高めてくれるんです。

毎年限定色が発売されるなど、コレクター心もくすぐる人気のアイテム。2本目、3本目の万年筆としていかがでしょう。

本格的な1本を手に入れたいなら「#3776 センチュリー」

これまで紹介した2本はペン先がスチール製ですが、万年筆の醍醐味といえば柔らかい金のペン先のもの。中でも初めての金ペンにおすすめなのが、プラチナ万年筆の「#3776 センチュリー」です。

プラチナ万年筆「#3776 センチュリー」

「#3776」という名前は富士山の標高からとったもの。理想の万年筆を作るプロジェクトから生まれたこの万年筆は、1万円という価格以上の書き味と重厚感を感じさせてくれます。

本格的な万年筆ではあるものの、初心者にうれしいポイントも兼ね備えています。それは「スリップシール機構」という特許も取得しているプラチナ万年筆オリジナルのキャップの構造。普通、万年筆を使わないでしばらく放置しているとインクが乾燥して固まってしまい、ペン先を洗浄しなければいけなくなってしまいます。

でもこの「#3776 センチュリー」ならキャップさえしめておけば、何と2年以上使わずにおいておいても大丈夫。久しぶりに万年筆を使おうと思ったときにもすぐに使うことができるので、「年賀状を書く時期しか万年筆は使わない」というような方にもぴったりです。

「そろそろ本格的な金ペンの万年筆が欲しい」と思ったら是非一度「#3776 センチュリー」を試してみてください。

もちろん、書き味やデザインの好みは人それぞれ。ですので、お店の人に相談したり、書き味や持ち味を試したりしながら、自分にぴったりの万年筆を探してみましょう。使えば使うほど自分になじんでくるのが万年筆の魅力。常に持ち歩いて、日々気軽に万年筆を使いたいですね。

【今回紹介した文房具】

パイロット「カクノ
ラミー「サファリ
プラチナ万年筆「#3776 センチュリー


まき(福島槙子)
文房具の魅力を発信するウェブマガジン「毎日、文房具。」副編集長。文具プランナーとして文房具の情報を発信しています。その人その人にぴったりの文房具を見つけるお手伝いや、日々の生活に役立つ文房具、主婦目線での文房具の使い方をご提案。レディのための文具ユニット「文具lady.」としても活動中。