秋の夜長はお気に入りの本を片手に読書をする。そんな人も多いのでは? 今回は読書の秋にぴったりの本がもっと好きになるような、書店・図書館の新しい活用術をお教えします。
コーヒーを片手に読書が楽しめる。本の「コンシェルジュ」も強い味方!
まずは、"長居できる"書店の大筆頭、代官山蔦屋書店からご紹介。
今年の12月でオープンから4年を迎えるこの店舗は、「TSUTAYA」ではなく「蔦屋」という漢字表記からも分かる通り、若者だけでなく団塊世代前後のミドル層を対象とした「大人の書店」。書店の建物は1号館から3号館まであり、各館ごとに異なるテーマの書籍が置かれています。
やはり最大の魅力は、併設されているスターバックスで、コーヒーを飲みながら座り読みができるということ。また、スタバだけではなく店内の至るところに座れるスペースが設置されているため、気になる本を見つけた時にゆっくり座って読めるのが嬉しいです。
特にチェックしてほしいのは、3棟の1階部分を貫く「マガジンストリート」。ここには、各館のテーマに関連する雑誌が所せましと置かれています。国内の雑誌はもちろん、海外の雑誌まで幅広く取り揃え、特に2号館のファッション誌の数は圧巻。発売日に行けば、まとめて流行をチェックすることができます。ファッション雑誌のほかにも、料理本や旅行本、車・バイク雑誌の品揃えは国内有数。色んなジャンルの雑誌を手にとって読むことで、自分の関心をググっと広げることができます。
さらに、各売り場には「コンシェルジュ」と呼ばれる本のエキスパートが常駐していて、「最近話題の本でオススメは?」「◯◯という作家の本を読んでみたいのですが、何から読めばいい?」など様々な質問に対して、コンシェルジュが的確にアドバイスしてくれます。なかなか読みたい本が見つけられない時には、コンシェルジュと本を通したコミュニケーションを楽しんでみるのもいいでしょう。
また、意外と知られていないのが、2号館2階にあるカフェAnjin。ここでは、「太陽」や「平凡パンチ」などの懐かしの雑誌のバックナンバーや、貴重なアートブックをソファに座って自由に読むことができます。バーカウンターもあるため、アルコールや食事を楽しみながら過ごせるのも大きな魅力。
代官山蔦屋書店は、くつろぎながら読書をしたい方、自分の関心を広げてみたい方、本を通じてコミュニケーションを楽しみたい方などにおすすめオススメの場所といえるでしょう。
国内の全ての本が置いてある!? 調べ物に最適な国内最大の図書館
次に、国内最大の図書館、国会図書館についてご紹介しましょう。
国会図書館がすごいのは、なんといっても、国内で出版された全ての出版物が保存されているということ。所蔵資料数は2500万点以上。さすが、日本唯一の国立図書館です。
漫画から雑誌まで、そのバックナンバーを含めて全て揃っています。さらに新聞資料室では、全国紙、地方紙問わず国内の新聞の縮刷版や復刻版が保存されています。広くて静かな閲覧室でじっくり読書を楽しむことができ、読書に疲れたら館内の喫茶や食堂で休憩することもできます。
ただし注意点は、本や資料を図書館の外に持ち出せないということ。そして利用者から見えるところに本棚はありません。資料は館内のパソコンを通じて閲覧の申し込みをして、所定のカウンターまで取りに行くというシステムになっています。どうしても家でも読みたいという方は、有料ですが複写サービスがあるので、そちらを利用しましょう。
また、利用する際には利用者登録をしてカードを発行してもらう必要があります。登録自体は、満18歳以上であれば誰でも簡単に行なえるので、気軽に登録してみましょう。
国会図書館は、調べ物をしたいときや、普通の書店や図書館で置いていないような貴重な本を読みたいときには最適です。どんなに古い資料でも保存状態が良いため、古本が苦手という方にもオススメです。
もし国会図書館まで行くのはちょっと遠い。という人は自分の住んでいる市区町村にある最寄りの図書館を見直してみましょう。実は国会図書館で行えるような、資料のコピーや取り寄せといったサービスは、最寄りの図書館でも行えます。また、最近では住んでいる地域の図書館で所蔵されている本がネット上で横断検索できるというサービスもあるので、検索サービスで読みたい本を見つけてから図書館に行く人も増えているようです。
また、地元の人たちが活用するための図書館では、小さなお子様向けに絵本の読み聞かせなどをやっているところもあり、ママたちの子育てスポットとしても図書館が見直されています。世代を超えて利用できる図書館。自分で利用しやすいお気に入りの図書館を見つけて、利用の目的や読みたい本に応じて、図書館を使い分けてみてはいかがでしょうか。
キレイに読むだけじゃない。古本を高く売るためには?
最後に、買ったはいいものの読まなくなってしまった本を有効活用するために、古書店の利用方法もお教えしましょう。
本を売るときにやはり気になるのが、どうやったら高く売れるのかということ。要らない本とはいえ、「え? こんなに安いの?」とショックを受けた経験のある方も多いのではないでしょうか。
基本的なこととしては、本の「帯」を保存しておいた方がいいでしょう。また、カバーが綺麗な方が当然買取価格は上がるため、売る前に拭いてキレイにするか、もしくは最初からカバーを外した上でブックカバーを付けて読むなどしましょう。また、高く売りたいのであれば書き込みはNG。メモやリマインダーをする場合は、痕がつかないように付箋を貼るのがオススメです。
そして、本を売ろうと思ったら、どこに売るのかも重要なポイントです。最近ますます注目を集めているのが、Amazonなどで出品しているオンライン古書店。こうした古書店は実店舗を持たないので、運営の経費が少なく済み、その結果大手の古書店よりも比較的高く買い取ってもらえることが多いようです。出張買取や宅配便買取を利用できるのもオンライン古書店の魅力のひとつでしょう。
本当に高く売れるのか、じっくり調べたいという方は、買い取りを申し込む前にその店舗の在庫をチェックしてみるのが有効です。すでに在庫がたくさんある本は、当然ながら高値はつきません。大手古書店が公開している高価買取リストや、「どこで売るのがおトクか?」に答えてくれる買取比較サービスなどを利用して、「どこに売れば何円で売れる」というところまで調べてみるのも、賢い古書店活用術といえます。
読書のスタイルは様々です。店頭での座り読みだけで済ませる人もいれば、積極的に買っては、読まなくなった本からどんどん売っていく人も。それぞれのスタイルに合わせて、書店や図書館を活用してみましょう。良い本に巡り会えば、豊かな時間を過ごせるはずです。
株式会社回遊舎
"金融"を専門とする編集・制作プロダクション。お金に関する記事を企画・取材から執筆、制作まで一手に引き受ける。マネー誌以外にも、育児雑誌や女性誌健康関連記事などのライフスタイル分野も幅広く手掛ける。近著に「貯められない人のための手取り『10分の1』貯金術」「J-REIT金メダル投資術」(株式会社秀和システム 著者酒井富士子)、「NISA120%活用術」(日本経済出版社)、「めちゃくちゃ売れてるマネー誌ZAiが作った世界で一番わかりやすいニッポンの論点10」(株式会社ダイヤモンド社)、「子育てで破産しないためのお金の本」(株式会社廣済堂出版)など。