「運命の一本」には、運命の人同様、なかなか遭遇できないのです

メガネはすっかりおしゃれの必須アイテムになりつつありますが、「いまいちわからないこと」だらけじゃないでしょうか? 例えば知っているブランンドは? ほとんど言えない人が多いはずです。思い浮かぶのはファッションブランドだけという人も多いかもしれません。

メガネを持っているんだけど、決してそれが「似合う! 」とは自信が持てない人。興味はあるけど、メガネ店に行って試着してもすべて似合わない気がして、あきらめて帰った経験を何度もしている人。顔の形でめがねの選び方を決めるような記事を読んでも、いまいちピンとこない人……。そんな人にメガネ選びの考え方をお伝えしていきます。

メガネは恋愛論で語れる!

好きなメガネを身につけていると心もとっても幸せな気分になります。思うに、ベストなメガネを見つけるのはパートナー探しと非常に似ている気がします。自分にしっくりくる相手ってなかなか見つからないものですよね? 同様に、しっくりくるメガネも簡単には見つからないものです。そこで今回は、メガネ選びを恋愛にたとえながら紹介していくことにします。

(1) なりたい自分を考える

メガネ一つで印象が違って見えるのがメガネの楽しさです。「どんなイメージになりたいか」をメガネを買う前に考えていきましょう。

恋愛に例えると
「どんな女性が好みなのか? 」「どういう付き合い方をしたいのか? 」と考えてみることです。「恋は落ちるもの」とも言いますが、アンテナを張っていないとスルーしてしまうもの。ちょっとだけ意識が必要です。

(2)積極的に店員と話す

何百本、何千本の中からお気に入りの一本を見つけるのは至難の業。お店のメガネをすべて把握している店員と一緒に選ぶのが、探しているメガネに出会う近道です。

恋愛に例えると
「恋愛マスターの話を聞く」。どうやって出会ったのか、どんなデートしたのかなど、恋愛慣れしている人と話を聞くだけできっと出会いも変わってくるはず。

(3)いろんなメガネを掛けてみる

まずは自分のメガネ姿になれることが大事です。買う・買わないに関係なく、いろんな種類のメガネを掛けてメガネの楽しい世界を知りましょう。

恋愛に例えると
「いろんな異性と話をしてみる」ということですね。緊張していてはデートもできないので、場慣れは大事。デートの前にさまざまな異性と話をすれば、「一緒にいてどんな人が心地いいのか」といった自分の好みのタイプがだんだんわかってくるものです。

(4)掛ける位置を気にしてみる

洋服に着方があるようにメガネにも掛け方があります。目の位置や目とレンズとの距離など、選ぶときから一番素敵に見える位置で掛けて鏡チェックしましょう。

恋愛に例えると
「立居振舞を気にしましょう」です。自分のよさを知ってもらうには、どんなことをしたら相手が喜ぶのでしょうか? 相手との距離感も大事ですよ。

(5)「選ぶ」ではなく「遊ぶ」つもりで

「買う」と意気込むと、「これが好き」ではなく「これがマシ」で選んでしまいがち。メガネで遊ぶ感覚で、メガネ一本で印象が変わるのを楽しんでください。楽しんで選んだものは、絶対に「好きな一本」になります。

恋愛に例えると
「彼女・彼氏探すぞ! 」と意気込みすぎると、空回りすることも恋愛にはありますよね?

(6)全身鏡でチェック

他人をチェックする際、顔だけで見ることはありませんよね。小さい鏡と全身鏡では、印象が全く変わります。必ず全身鏡でチェックしましょう。

恋愛に例えると
気になった人ができても、ちょっと引いた目で見るのが大事。

(7) 縁を大事に

色や形、バランス……。メガネは1mm、1度の違いで「似合う」「似合わない」が違ってきます。いいなと思ったものは即買いすべきです。「また今度」ではなくなってしまっている可能性大。メガネとの縁は大切にしないといけません!

恋愛に例えると
「素敵だ」と思えたり、「一緒にしてしっくりくる」と感じたりできる人とはたくさん出会えないですよね? 運命を感じたら、躊躇せずに行動に起こしましょう!

(8)写真を撮る

鏡は反転して映ってしまうし、どうしてもメガネ中心で見てしまいます。ところが、写真だと平面になるので客観的に見えて、鏡のときとは印象が違って見えることもあります。

恋愛に例えると
「恋は盲目」ということです。「この人いいな」と思ったときに客観的にみるのも大事ですよ。

(9)メガネ+自分で選ぶ

自分のメガネを選んでいるようで、メガネ単体の形や作りしか見てなくて、「自分がそのメガネを掛けたときに似合っているどうか」が置き去りになっている人が多いです。メガネ+顔で素敵になるものを選びましょう。

恋愛に例えると
相性がいいかを考えてみましょう。自分が自分らしくいられない相手だと、どんなに好きでもやっぱり違和感があるものですよね。背伸びしすぎないのも重要です。

(10)レンズにこだわる

メガネは医療器具。選ぶレンズの種類で、見た目も健康も大きく変わります。見え方も見られ方もベストなものを身につけましょう。遠近両用もブルーライトカットレンズも、メーカーによって全く変わります。自分に合うレンズを選ぶことで、数年間の生活の質が変わります。

恋愛に例えると
「見た目だけではなく相手の内面をしっかり見る」です。

人の顔は数パターンで分類できない

どうでしたか? 恋愛としてとらえながらメガネ選びを考えると、少しはメガネについて理解が深まったのではないでしょうか。

いわゆる「顔の形とかのセオリー」では、似合うメガネは見つかりません。十人十色というように、人の顔は数パターンで分類できるほど単純ではありません。「メガネ」と力まず、いろんなメガネの種類があることを楽しみながら、自分らしい考え方で運命の一本にぜひ出会ってください。きっとその出会いは、あなたの人生を変えてくれるはずです!

筆者プロフィール: 藤 裕美(とう ひろみ)

1977年福岡県生まれ。眼鏡スタイリスト。10年間、眼鏡屋で働きながら彫金技術を学び、ネジからすべてメガネを製作、個展もひらく。2001年、24歳のときに店長として、SHOPプロデュース、買い付け、さまざまなイベントを企画。2007年、ドイツへ渡り、眼鏡ブランド『FROST』に勤務。作り手側からも眼鏡の知識を深める。帰国後、2009年から眼鏡スタイリストとして活動を開始。いとうせいこう氏との出会いにより、自身のHPで「眼鏡予報」スタート。2011年10月「めがねを買いに」(WAVE出版)出版。 国内外で著名人のスタイリングや、メディア露出、誌面でのスタイリング、講演会、デザインアドバイス、コンサルタントなど、メガネにまつわることをなんでもしている。また、ファッションだけではなく、目の健康や医療器具としてのメガネ選びの大切さを社会福祉施設や幼稚園などに訪問し伝える活動をしている。眼鏡というキーワードを軸に常に新しいメガネの発信を続けている。