アイ・オー・データ機器は1日、音質にこだわるユーザー向けの新ブランド「fidata(フィダータ)」を立ち上げた。第1弾として、ネットワークオーディオサーバ「HFAS1」を発表。オーディオ専門店や直販サイト「ioPLAZA」などで、同日より販売開始する。
ラインナップと価格は、500GB SSD×2基搭載の「HFAS1-S10」が税別370,000円、2TB HDD×2基搭載の「HFAS1-H40」が税別320,000円。
「HFAS1」は、ハイレゾ音楽再生用のネットワークオーディオサーバ。きょう体の材質や基板設計、部品を細かく吟味し、試作・視聴を重ね約3年をかけ本体を設計したという。本社が所在する石川県内の工場で生産する。
きょう体は高剛性フルメタルで、天板に4.0mm厚のアルミ板、底面に2.3mm厚・2.2kgのベース鋼板を採用し、振動に対する安定性を確保した。内部は、電源・基板部とストレージ部を完全分離した2室構造とし、ストレージからの放射ノイズを低減させ、電源・基板部へのノイズ影響を抑制する。
2基のHDDを搭載する「HFAS1-H40」はファンレス設計を採用。本体とマウンターとの間に高減衰特性の樹脂を使った低共振のクアッドダンパーを挿入することで、HDDの振動を低減させた。内蔵HDDはウエスタンデジタル製のカスタム仕様で、低偏心プラッターを採用し振動を抑えている。
2基のHDDは左右にレイアウト。ドライブの回転方向やヘッドシーク動作が互いの動きを打ち消し合うよう、1台を反転させて配置する。搭載容量は4TDだが、同じデータを同時に2台のドライブに書き込むRAID1構成により、実質容量は2TBとなる。
一方、2基のSSDを搭載する「HFAS1-S10」では、Samsung社の850EVOを採用。こちらもファンレス設計の上、HDDと異なり可動部が無いため、ほぼ無音のリスニング環境が実現できるとする。なお、内蔵SSDは500GB×2基だが、複数ストレージを1台として処理するスパンニングにより実質1TBとして動作する。
インタフェースは10BASE-T/100BASE-TX/1000BASE-T対応有線LAN×2(DLNA 1.5対応)、USB 2.0×1。LANポートを2基搭載し、一方にオーディオプレイヤー、もう一方をルータなどに接続し、ルータにPCを接続することで、「HFAS1」側で音源のダウンロードや管理、再生を行える。楽曲データの管理・送信・配信は、PacketVideo社が提供する「Twonky Server7」を採用する。
HDDモデル「HFAS1-H40」の内部。ストレージは1基を反転して設置 |
Audio用LANポートとNetwork用LANポートを搭載。なお、ACコネクタは、ノイズ混入抑制のため、アース端子を省略した2P端子。ACコードには24K金メッキを施している |
本体サイズはW350×D350×H64mm。重量はHDDモデルが約7kg、SSDモデルが約6kg。対応OSはWindows Vista / 7 / 8 / 8.1 / 10、OS X 10.7~10.10。対応OSはInternet Explorer 9 / 10 / 11、Microsoft Edge、Safari 6 / 7 / 8。
対応ファイル形式は、wav、mp3、wma、m4a、m4b、ogg、flac、aac、mp2、ac3、mpa、aif、aiff、dff、dsf。
製品の開発背景として、ハイレゾ音源がインターネット上で手軽に入手できるようになった一方で、ハイレゾ音源の入手先であるPCは接続や設定の難しさ・煩雑さに加え"ノイズの塊"であるため、その再生に課題があったとする。今回、これを解消するネットワークオーディオを提供。同社は今後、「HFAS1」を中核としてオーディオ関連機器のビジネス拡大を目指す。
「fidata」の特設サイトも同日公開された |