JR北海道は30日、平均15%程度の列車を間引く大規模なダイヤの見直しと、極端に利用の少ない駅の廃止を正式に打ち出した。どちらも2016年3月に実施するとしている。
ダイヤ見直しの理由について、主力として運用するキハ40系気動車の老朽化と鉄道利用者の減少の2点を挙げた。製造後33~39年経過したキハ40系は老朽化と劣化のために故障が頻発しており、運休や30分以上の遅延が発生した件数は今年すでに32件にも及ぶ。これは8年前の2倍の件数で、近年はとくに車体の腐食による雨水の浸水にともなう電気機器の誤動作、床下部品の落下、配管の腐食による漏水などが多発しているという。
安定輸送のためには老朽化が著しい車両を除いてダイヤを設定する必要があるため、一般気動車で運転する普通列車の運転本数と編成両数の見直しが必要と判断。普通列車については、乗客数が減少しているにもかかわらず、JR北海道の発足以降ほとんど運転本数を見直していないことから、各線区平均で15%程度減らすとしている。
駅についても、利用実態がほとんどない駅、駅周辺に生活上必要としている民家がない駅が多数あると説明。過去5年間の調査によれば、1日あたりの平均乗車人数が1人以下の駅が71駅、10人以下の駅が90駅あるという。こうした駅についても維持管理の人件費や光熱費、除雪費、修繕費などがかかることから、うち10駅程度を廃止する方向で調整を進めるとしている。ダイヤ見直しと駅廃止についての具体的な内容は冬頃に発表される予定だ。