世界を見てみると車は右側通行と定めている国や地域が多いため、左側通行と定められている日本での運転に慣れないという外国人も少なくないだろう。一方、フィリピンやネパールなど始終クラクションが鳴りやまない国から日本へ帰国すると、「日本って静かだな」と思うこともある。交通事情はその国・地域でさまざまだ。そこで今回、日本在住の外国人20人に日本の交通ルールに関して思うところを聞いてみた。
交通ルールをよく守る
・「右車線・左車線以外、日本の交通ルールはほとんどアメリカと変わらないのでとても安心できる。でも、日本の歩行者道の方が信号などを守っているように感じる」(アメリカ/26歳/男性)
・「信号をみな守っていて悪くないと思う」(イギリス/30歳/男性)
・「日本の交通ルールはしっかりしていると思う。そして、だいたいみんなちゃんとルールを守っているので、日本はとても運転しやすい国だと感じている」(シリア/35歳/男性)
・「みな交通ルールを守っていて安全で安心で便利」(タイ/30歳/女性)
・「交通ルールがよくできていて、通行人もそれをきちんと守っている。でも、赤信号を無視してもいいぐらい人がいない時などは、別にとまらなくてもいいのではと思ったりもする」(ベトナム/31歳/女性)
中には交通ルールを守っていない人も
・「道路交通に関しては、赤信号になっても通過する車があることは不思議に思う」(カナダ/31歳/男性)
・「日本の交通ルールはいいが、守らない人もいる」(ミャンマー/32歳/女性)
・「車はていねいに走っているが、車を運転しながら携帯を使う人がまだ多いと思う。自転車と歩道者はルールなしな感じ」(オランダ/44歳/女性)
自転車に交通ルールを
・「自転車が歩道を走ってもいいルールはよくないと思う。フランスでは車と一緒。逆走も罰金まで科した方がいい」(フランス/30歳/男性)
・「特に自転車についてはルールがないのか、あるいは誰も守らないのか、ひどい現状に日々直面している。ドイツと違い、自転車道と歩行者道が別々になっていないのは不便に思う。赤信号を無視した自転車にひかれそうになったこともある」(ドイツ/39歳/男性)
・「みな真面目に守っていると思う。自転車だけちょっと危険な場合がある」(トルコ/39歳/男性)
・「傘を差して自転車に乗る人が多い」(フィンランド/27歳/男性)
・「マレーシアと同じ左側通行なので戸惑いはなかった。ただ、自転車運転のマナーがひどい」(マレーシア/36歳/女性)
・「交通ルール自体はイタリアとそれほど違いはないと思うが、自転車が歩行者道を走ったり、歩行者道がなかったり、歩行者道があっても段差がなくて線だけ引いてある道があったりして危ないと思う」(イタリア/38歳/女性)
・「歩道で走っている自転車がとても危ない」(ウクライナ/42歳/女性)
・「ブラジルに比べて交通マナーはいいと思う。クラクションを鳴らしているのをほとんど聞かれない点は素晴らしいと思う。ただし、自転車のルールが本当になくて、好き勝手には走っているのは危ないと思う。自転車に対しても厳重に規制してほしい」(ブラジル/30歳/女性)
そのほか
・「厳しい」(インドネシア/37歳/男性)
・「日本の交通ルールは中国と逆の左通行なのでまだ慣れていない」(中国/28歳/女性)
・「普通だと思う」(スペイン/32歳/女性)
総評
日本人は基本的に信号など交通ルールを守っている人が多い、という印象があるよう。「日本はとても運転しやすい国」というコメントもあり、右車線・左車線で母国とは異なる交通ルールで運転する人にとっては安心して運転ができるのではないだろうか。そんな中でルールを守っていない人がいると、余計に目立ってしまうというのが実情だろう。
その一方でいろいろと意見があったのが自転車の交通ルールだ。日本でも6月より、信号無視や酒酔い運転などの危険行為を3年以内に2回以上摘発されたると、自転車運転者講習の受講を義務付けられ、従わなかった場合は5万円以下の罰金が科せられるようになった。とはいえ、まだ十分に守られていないのが現状だ。自転車に乗る人は特に、こうした外国人の意見も肝に銘じておきたい。
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