家の中で気になる「ダニ」。なぜ家の中で発生するのか? 効果的な退治方法は? 家の中のダニに関する知識や対策について、ダニの生態の研究を行うレイコップ・ジャパン プロダクトマネジメント部 R&D課の森本孝氏と、家事アドバイザーとして活躍する藤原千秋氏にお話を伺った。
ダニを飼うレイコップ・ジャパンの研究室とは…?
ふとんクリーナーを主力商品として製造・販売しているレイコップ・ジャパンでは、新商品開発のために社内でダニの研究も行っているという。その数は約10万匹にも及ぶ。ケージの中には一面のダニ、ダニ、ダニ……。活発に動きまわるダニは、もちろん家の中にも生息している。
知っているようで知らないダニの生態とは?
――家の中でダニが発生する原因を教えてください
森本さん:ダニ発生の原因は、住環境によってかなり異なります。たとえば古い家には元からいたりするので、ダニが急に沸いて出るということはありません。ダニが生息しやすいのは、温度と湿度が一定に保たれている場所。光を嫌がるので、暗いところにいます。例えば、絨毯や畳など潜ったりできる毛足が長いところ、また餌となるフケや食べ物のカスなどがこぼれやすいところに集まりやすいです。
藤原さん:ソファの座面の下にもホコリが溜まっていたりするので、そういうところにもいますし、カーペットに接しているカーテンの裾にもいたりします。意外なところでは、ぬいぐるみにも……。また、ソファやふとんなどは、人が長居しがちで温度が一定になりやすいため、ダニの居心地が良くなってしまいます。
――人間が絨毯の上にいると発生しやすいのは温度が原因……?
森本さん:ダニは湿気がある程度ないと生きられないんです。すべてのダニがそういう訳ではないのですが、主にアレルギーの原因になると言われているチリダニが過ごしやすいのがだいたい湿度50~80%の間。温度でいうと20~30度くらいが生息しやすくなります。
藤原さん:ダニは臭いに引き寄せられてくるので、例えば人の汗の臭いなどに集まってきますよね(笑)。
家庭内でのダニ対策、どうすればいいのか
――ダニが苦手とするものは?
森本さん:ダニは湿度が低いと生息できないので、乾燥している状態だと生活しにくくなって徐々に減っていくと考えられます。また、暑すぎる環境も苦手としており、50度では30分程度で死んでしまいます。あと、ヒバ油も嫌がりますね。臭いにも敏感なので、ダニの忌避剤にはダニが嫌がる臭いが入っています。
―ダニを増やさないようにするためには、どうすれば良いのでしょうか
森本さん:ダニも幼虫から成体まであるため、100%効くとはいえませんが、湿度コントロールは、重要です。なるべく風通しの良い状態にしましょう。
藤原さん:ヒノキのチップを詰物にしている畳もありますよ。凄く良い香りがして、ダニも出にくくてお薦めです。
―絨毯だったらどういう対策?
藤原さん:絨毯だったら、敷きっぱなしにしないことだと思います。上面だけ掃除機で吸っても、奥の方まで入っているダニを退治することはできません。なので、洗えるものを使うと良いと思います。定期的に洗うことで、ダニを除去することができます。
まとめ
今回のポイントとして、ダニは湿度50~80%の間、温度は20~30度くらいを好み、ソファの下・カーテンの裾・絨毯・カーペットなどの汚れの溜まりやすいところに発生する。また、家庭でも出来る対策としては、部屋の中の湿度調節、絨毯の場合は定期的な洗浄が必要とのことだった。特に部屋の湿度コントロールは、温度よりも普段あまり意識をしていないかもしれない。より快適な住環境を整える、という意味でも試してみてはいかがだろうか。