今日では「SUSHI(寿司)」や「BENTO(弁当)」、「TSUNAMI(津波)」に「KAWAII(かわいい)」も、日本での言葉通りに海外で使われている。そこで今回、日本在住の外国人20人に好きな日本語・漢字はなにか、その理由も合わせて聞いてみた。
書き方が興味深い
・「風: 漢字の形だけで風が通るイメージができ、なんだか癒やされる」(フランス/30歳/男性)
・「凸凹: 響きと書き順がおもしろい」(イギリス/30歳/男性)
・「心: 他の漢字とちょっと違う形」(トルコ/39歳/男性)
・「癌: 書くのはあんまり難しくないのに、書けない日本人も多くて興味深い」(スペイン/32歳/女性)
・「漢字は全般的に意味があって美しいと思う。特に好きなのは『忙』で、心を亡くすと書くからその通りだと思う」(ブラジル/30歳/女性)
・「元気: 2文字と短いのに広い意味がある」(オランダ/44歳/女性)
・「美: 漢字もきれいで響きもいい」(イタリア/38歳/女性)
・「美: 美しくなりたいといつも思っていたから、その漢字が好きになった」(ベトナム/31歳/女性)
意味が好き
・「万歳: いい時に使うから」(インドネシア/37歳/男性)
・「お休みなさい: 毎晩、ゆっくり休めそうな気分になれる」(ドイツ/39歳/男性)
・「おつかれさま: 思いやりを伝えるのにぴったりの表現」(ウクライナ/42歳/女性)
・「ありがとう(有り難う): めったにないこと、感謝の気持ちが込めている言葉」(マレーシア/36歳/女性)
・「和: 落ち着いている感じ」(中国/28歳/女性)
・「道: 音から伝えてくる意味が深い」(韓国/48歳/男性)
そのほか
・「日本語のダジャレが好き。いろいろな単語を同時に覚えられる」(シリア/35歳/男性)
・「日本語: 最初に勉強した漢字」(タイ/30歳/女性)
・「為せば成る、為さねば成らぬ何事も: 確かにその通りだと思う」(ミャンマー/32歳/女性)
・「辻斬り: こんな言葉が生まれるにいたった背景が興味深い」(フィンランド/27歳/男性)
・「特にこれ! と言うのはないが、大体の日本語の擬音語と擬態語は好き。英語と違っていておもしろい」(アメリカ/26歳/男性)
・「やばい: いろんな意味で使える。一期一会: 深い意味を四文字で表している」(カナダ/31歳/男性)
総評
「ありがとう」や「おつかれさま」などという言葉は人を癒やしてもくれる。確かに、好きな言葉として挙げるにはぴったりの言葉だろう。特に、「おつかれさま」は「よろしくお願いします」などと同様に、日本語ならではのニュアンスを持つ言葉なので、日本らしい文化のひとつとして認識している外国人も少なくないだろう。
一方、「忙」のように漢字の成り立ちに興味をもっている外国人もいるようだ。「美」のほか、「幸」という漢字も左右対称でバランスのとれた字として外国人に人気の漢字のひとつである。日本人にとって漢字は当たり前の存在なので、漢字そのものを日常の中で意識することはあまりないだろう。あらためてその成り立ちや形状を考えてみると、今までとはまた違った"発見"ができるかも。
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