IHIはこのほど、ボーイング787・ボーイング747-8向け「GEnx」エンジン部品の累計出荷台数1,000台を達成した。同社では1,000台達成を記念し、9月25日に瑞穂工場(東京都西多摩郡瑞穂町)にて式典を行った。
「GEnx」は米・GE社が中心となって2004年に開発が開始された、IHIや独・MTU社などが参加している国際共同開発事業。「GEnx」は従来機より燃費効率を15%改善し、CO2や窒素酸化物などの排出量や騒音レベルを低減したエンジンで、「GEnx-1B」が搭載されたボーイング787は2012年に、「GEnx-2B」が搭載されたボーイング747-8は2011年に商業運航が開始された。
IHIは「GEnx」にプログラムシェア約15%で参画しており、低圧タービンモジュールや高圧圧縮機部後段といった主要部位の設計・製造を担当している。相馬工場(福島県相馬市)および呉2工場(広島県呉市)にて担当部品の製造を、瑞穂工場にて低圧タービンモジュールの組み立てを行っている。ボーイング787の活発な需要を受けて、IHIでは2015年度300台程の生産を予定している。
IHIはこれまでにも70席クラスのリージョナルジェット機向けエンジンから、500席クラスの大型機向けエンジンまで幅広く手掛けており、ボーイング777の次世代機であるボーイング777Xに搭載される「GE9X」エンジンプログラムへの参画も決定している。
GEnx-1B概要
搭載機体: ボーイング787
搭載エンジン数: 2基
座席数: 250席クラス
運行開始時期: 2012年
推力: 6万4,000~7万5,000ポンド
エンジンマーケットシェア: 60%
GEnx-2B概要
搭載機体: ボーイング747-8
搭載エンジン数: 4基
座席数: 500席クラス
運行開始時期: 2011年
推力: 6万4,000~7万5,000ポンド
エンジンマーケットシェア: 100%(独占搭載)